関西人による、関西が好きな人のための、関西を24時間遊べるウェブマガジン Lmaga.jp


トップ > 音楽 > 畠山美由紀が歌う“雨の名曲"
Check Clip to Evernote 2013.07.25up

エレガントかつ色彩豊か畠山美由紀が歌う“雨の名曲

故郷の気仙沼への想いを綴った前作『わが美しき故郷よ』に続き、ソロとしては6枚目のアルバム『rain falls』を発表した畠山美由紀。プロデュースには近年にジェーン・バーキンのワールドツアーの音楽監督&ピアニストも務める中島ノブユキを迎え、エレガントかつ色彩感豊かなアレンジで聴かせる雨にまつわる名曲の数々。理想的なテーマと音を得て、シンガーとしての魅力が最大限に発揮された新作について彼女に語ってもらいました。

取材・文/吉本秀純 写真/バンリ

Profile

畠山美由紀
(はたけやま・みゆき)
宮城県気仙沼市出身。1991年に上京、10人編成のダンスホール楽団・Double Famousのボーカリストして活躍し、ゴンザレス鈴木率いるSOUL BOSSA TRIOにも参加。その後、ギタリスト・小島大介とユニット・Port of Notesを結成。1997年にCRUE-Lよりデビュー。インディーズ作品ながら、外資系レコード店では軒並み1位を記録。2001年には、シングル「輝く月が照らす夜」でソロデビュー。2011年には、東日本大震災で被害を受けた故郷・気仙沼を想った「わが美しき故郷よ」と題した詩を雑誌、自身のブログにて発表。凜とした強さとやさしさを兼ね備えた麗しい歌声は、多くのミュージシャン、音楽ファンから圧倒的な支持を得ている。

公式サイト
公式ブログ
公式フェイスブック

Disc Data


畠山美由紀「夜と雨のワルツ」

畠山美由紀『rain falls』 畠山美由紀『rain falls』
オリジナル新曲7曲、セルフカバー1曲、カバー3曲で構成された、歌声で綴った“雨のアルバム”。屋敷豪太、石井マサユキ(TICA)、おおはた雄一、小沼ようすけ、藤本一馬(orange pekoe)ら、錚々たるミュージシャンが参加。プロデュースを担うのは、NHK大河ドラマ『八重の桜』の音楽など手掛ける中島ノブユキ。

2013年6月5日発売
RBCP-2683
2,800円
Rambling RECORDS
「rain falls」特設サイト

自分が作るならしみじみしたものがいいな

──雨をテーマにしたアルバムは、かなり前々から作りたいと思われていたそうで。

そうですね。20代だったギャルの頃から(笑)。と言っても、具体的に曲があったわけではなくアイデアだけですけどね。スー・レイニーという女性ジャズ歌手のアルバムに『雨の日のジャズ(Songs For A Rainy Day)』という作品があるんですけど、ジャケットもすごく素敵で、そういうのって心落ち着く感じでいいなぁと思っていて。でも、聴いてみると(音の方は)自分が思う雨の日のイメージとは違って、自分が作るならもうちょっとしみじみしたものがいいなと考えていましたね。

──カバー曲の3曲は、どういった観点で?

カーペンターズで知られる「Rainy Days and Mondays」とフランソワーズ・アルディの「Meme Sous La Pluie(邦題は“悲しい雨が”)」は、雨をテーマにするアルバムを作る時には必ず歌いたかった2曲です。他にも候補曲はあったのですが、もっと他にもないかなと思っていた時に、プロデューサーの中島さんやレコード会社の方と探していたら、“オフコースの「雨の降る日に」に出逢ったんです。まだお2人でやってらした頃の初期の曲ですね。

──作品全体のプロデュースを中島ノブユキさんに頼まれたのも、畠山さんがずっと心の中に描いてきた雨のイメージからですか?

そうですね。今回は絶対に中島さんだろうなと。サウンドの透明感とかうるおい感とか、あとストリングス・アレンジもできたらいいなと思っていたので、中島さんにプロデュースをお願いするしかない!と。

──ボサノバやフランシス・レイなどを思わせる優雅なフレンチ調に、タンゴ的なものまでと。色彩感豊かなのにミニマムな中島さんらしいアレンジが、多彩に全編に行き届いていますよね。

雨といってもいろんな表情があるよね、というのは中島さんともよく話していたところで。でも、ミニマムなサウンドとは言っても、使われている楽器は実はかなり多かったりもするんですよね。例えば、雨の日に誰かと部屋の中に一緒にいるとしたら、そんなに余計なことは喋らないで、本質的なことを喋るかもしれないみたいな・・・。あまり知らない人でも、普段に話さないような深いところで話ができる雰囲気があるので、音の方もその妨げにならないものに、というのはありましたね。

──なるほど。そのあたりの音のサジ加減もまた絶妙に“雨の日的”というか。

録り音もすごく良くて、マスタリングも今回はイギリスのジョン・デイヴィスさんにお願いして。U2とかシャーデーの作品も手掛けられていた方なんですけど、わざわざレコード会社に電話をくれて“すごく良かったから、僕のキャリアの中に書きたい”と言ってくれたのも嬉しかったです。正直、ビックリしました!

──でも、畠山さんの歌や歌詞の方は、よく聴くとどちらかと言えば激しい恋愛感情が歌い込まれているというか。そこも魅力的ですね。

そうですね、むしろドラマチックで激しくて、BGM的な歌詞ではないですよね。そこも(雨の日には)本質的なことを語り合いたい・・・というような気持ちが出ているのかも。そういう風に考えて書いていたわけではなかったんですけど、2曲目の「叶えられた願い」とかも、夏の失われた恋の話を自分なりに書いてみたくて、自分でも“あぁ、こういう風に書くか”とドキドキしながら書いていたところがありましたね。


[PR]オススメ情報