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Check Clip to Evernote 2015.10.21up
小吹隆文が選ぶ10月のスペシャル展覧会

『下町芸術祭』メインビジュアル(左)、「ダンスプログラム」より、街角・みちみちパフォーマンス(右)

Profile

小吹隆文

情報誌の編集部を経て、'05年よりフリーの美術ライターとして活動。「とにかく誰よりも現場を見て歩く」のが信条。膨大なアート情報から鋭い感性で、いま必見の展覧会をピックアップ。

10月のキーワード 神戸×下町×アートで、芸術の秋を満喫

神戸のダウンタウン、新開地と新長田で、注目の企画展とアートイベントが行われます。新開地の神戸アートビレッジセンターでは、2人の若手美術家が活躍する公募企画展を開催。新長田では、商店街や空き地、古民家、裏路地、劇場などを舞台に、美術、工芸、ダンスなどを通して町と市民と芸術家が出会います。両会場の距離はわずか2駅(JR神戸駅~新長田駅)。電車を乗り継いで、秋の休日をアート三昧にしてください。

『1 floor 2015 対岸に落とし穴』

若手アーティストやキュレーターの育成支援を目的に、神戸アートビレッジセンターが毎年行っている公募企画「1 floor」。アーティストがただ作品を展示するのではなく、企画段階から主体的に関わり、展覧会を作り上げるのがと特徴となっています。今年の出展者は、ともに1987年生まれの川田知志さんと山城優摩さんです。

川田さんは京都市立芸術大学でフレスコ画を学び、小学校や銭湯などの巨大な壁面を用いてインスタレーション作品を制作してきました。今回はコミュニティースペース「1room」で作品を発表。コンクリート壁面を覆う大作を計画しており、なおかつ神戸アートビレッジセンターの版画工房でシルクスクリーンにも挑戦しています。

一方、山城さんは京都精華大学で油画を学び、シェイプドキャンバス(変形のキャンバス)を一つの場と見立てて、解体された地図のようなイメージを描いてきました。また、既製品を取りこんだ立体作品でも知られています。今回は「KAVCギャラリー」に絵画と立体を配置します。

異なる性格を持ちながら連続する2つの空間をどう処理するかが「1 floor」の見どころです。その問いに川田さんと山城さんがどのように答えるか、今から楽しみです。

川田知志《銭湯絵画-玉の湯-》 2015年

山城優摩《desk work》 2014年

Art Data

期間:10月31日(土)~11月23日(祝・月)
会場:神戸アートビレッジセンター(1階KAVCギャラリー、コミュニティースペース1room)
『下町芸術祭』

神戸・新長田の町そのものを会場に、100名を超えるアーティストが作品展示やパフォーマンスを繰り広げる。それが「下町芸術祭」です。

このイベントは、20代から70代までの画家11名が参加する「絵画プログラム」や、英国からの招聘作家と全国の若手作家が展示を行う「工芸プログラム」、関西及び西日本で活動するコンテンポラリーダンサーと振付家総計約50組が出演する「ダンスプログラム」など、7つのプログラムで構成されています。なかには、子供とアートが出会う場を作り出す「アソビプログラム」、下町感あふれる場所を舞台にした「町中プログラム」などもあり、アートと町の魅力を同時に味わうことができます。

実際、新長田エリアには、コンテンポラリーダンス&演劇の劇場「DANCE BOX」や神戸映画資料館があり、個人コレクションを展示する小さな私設美術館が点在するなど、侮れない文化力を持っています。このイベントを機に、地域のポテンシャルに気付く人が増えるのは間違いないでしょう。

なお、「絵画プログラム」「工芸プログラム」「町中プログラム」は常設展示で会期中いつでも見られますが、他のプログラムは特定の日時のみ開催です。お出かけの際は、事前確認をお忘れなく。

「工芸プログラム」より(本企画出展作家作品)

「町中プログラム」より(モノホシザオ・ギャラリーダンスパフォーマンス)

「アソビプログラム」より(駒ヶ林2丁目南部双葉じぞう広場)

「古民家プログラム」より(Atelier KOMA)

Art Data

期間:10月31日(土)~11月13日(金)
会場:神戸市立人材支援センター(メイン会場)ほか、新長田エリア15会場

取材・文/小吹隆文

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