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Check Clip to Evernote 2015.11.17up
10周年を迎えた劇団子供鉅人を導く益山貴司、世界を変容させる想像力
2005年に地元大阪で活動を始め、戦前のサーカスや見世物小屋を思わせる、飛びっきりにぎやかな世界観で人気を集める劇団子供鉅人。表現の場を選ばず、劇場、カフェ、ギャラリー、観光用水上バスなどで上演。2007年には、フランス、ベルギー国内を中心にツアーを敢し、ここでも小劇場、映画館、クラブ、倉庫など様々な場所で公演し好評を得る。そして2014年夏、ついに東京進出を果たした彼らは、今年結成10周年を迎えた。年初から記念公演『愛の不毛と救済三部作』と題したシリーズ2作を上演、また初の台湾公演も行った。10年分の総決算となる三部作最終公演に先立ち、脚本・演出を手掛ける主宰の益山貴司に話を聞いた。

Profile

益山貴司(ますやま・たかし)
1982年生まれ、大阪出身。劇作家、演出家、俳優、劇団子供鉅人代表。自分が観たいものを作りたいと、高校演劇部で指導していた生徒や店の客、弟たちと2005年に子供鉅人を結成。自分の店[BAR ポコペン](2012年閉店)では、演劇公演やライブ、エキシビジョン等を行っていた。2014年から東京進出。NODA・MAPの作品にも出演するなど多方面で活躍する。

公式サイト
http://www.kodomokyojin.com/

Stage Data

『重力の光』

父親が降臨してきた天使に乱暴をし、その結果生まれた「光」。両性具有の彼(彼女?)は、今も各地で子どもを作り続けている父親を探す旅に出るが・・・。益山が「どうしてもブラックユーモアもぶちまけると思うんですけど・・・」というハチャメチャさに今回も期待しよう。

日程:2015年12月3日(木)~7日(月) ※時間は日程により異なる
会場:近鉄アート館
イベント詳細はこちら

「劇場でやることが一番スリリング」

──益山さんが、劇団を始めたきっかけって何だったんですか?

高校2年の時に演劇部で脚本を探していて、クラスメートの子から書いてみない?って誘われたのが最初で、そのまま役者も演出も・・・。役者と乞食は三日やったらやめられないコースにはまってしまい、そこからずっとですね。

──劇団を東京に移して一年経ちましたが、何か変わりましたか?

“大阪の劇団”という冠がなくなって、東京の劇団とフラットになって、リスタートした感じですよね。その分成長しなくてはという意識をより自覚してます。先日、(ともに関西を拠点に活動する劇団)突撃金魚と悪い芝居をやられた音響の児島塁さんにうちも初めてお願いしたんですけど。『この3つが頑張らんとあきませんよね』って話をしたら、『あ、それほかの人もみんな言ってたで』って。悪い芝居の山崎(彬)くんも突撃金魚のサリng(ROCK)も、みんな自覚ある。ここが頑張らんとあかんよねって

──東京へ行って最初の舞台が『逐電100W・ロード100Mile(ヴァージン)』。シェイクスピアの『マクベス』をベースにしたオリジナル戯曲ですが、正方形のスペースに必要最低限の小道具と電球の灯りで演出され、演劇の原点を見せつけられたように感じました。

あ、それは本当にうれしいですね。先日、台湾で再演しましたが反応良かったですよ。初日が開けるまでは緊張したんですけど、笑いもいっぱいいただいて。なかでも台本が良かったって言ってくれた人が結構いたのがうれしかったですね。詩を見てるようだったとか、言葉が素晴らしいとか・・・、海外でそこを言われたのは本当にうれしかった。やってよかったなと、受け入れられたなと。

──その一方、10周年第一弾の『組みしだかれてツインテール』、第二弾の『真昼のジョージ』ともにハイテンションでガンガン飛ばしていく感じ。『逐電』とは温度差がありすぎて、この劇団ここまで振り切るんや・・・って衝撃でした。

オープニングからパンツずらしてビンタとかね。

──その印象的なシーンで始まった『ツインテール』の会場で女子高生くらいのお客さんを見かけて、あまりにも露骨なセックス描写をこの娘たちに観せても良いのだろうか・・・って心配になりました。

この公演では“女子高生は無料”キャンペーンをやっていたので「2回目です」という子までいて、「なんて最近の子どもって開けてるんだろう」って。

──そんなはっちゃけた三部作でも、いかにも段ボールで手づくりしたような舞台のセットや小道具を効果的に使って、見た人の想像力を引き出したり、それを逆手に演出上のトリックが隠されていたり。

好きなんでしょうね。無意識的にやってます。やっぱり演劇でしかできない事って絶対あると思うんですよ。見立てというか、白い服が人に見えたり、段ボールが強固なものになったり・・・、さっきまで見てた物が変質するのが、演劇で一番スリリングなんで、そこを意識してます。『ツインテール』も『ジョージ』も妄想のなかを観せてて、実はそうじゃなかったって世界が変容していくところが一番おもしろい。『逐電』の場合は、特にそれを言葉で攻めたんですよね、劇団史上最もポエティックに。もともと言葉遊びが大好きなんですけど、「あぁ、野田(秀樹)系ね」って言われるのがしゃくで封印してたんです。それを一気に解き放ったのが『逐電』。

──益山さんが子供鉅人でやりたいのは、どちらなんですか?

全部やりたいことなんですけど、今劇場でちゃんとしようということでは三部作ですね。今までは年2本やったら片っぽは街や船の上でやるとかだったんですけど、今回は全部劇場。劇場でやることが現代においては一番難しいと思っている。東京に行くのも難しいことだし、常に難しいことを選択するのであれば、劇場でやることが一番スリリング。

──そして、12月には三部作の集大成『重力の光』が控えています。今回、直前にタイトルが変わったようですが。

もともとはチャンバラを考えてたんですよ。でも江戸時代より、今の自分たちの心境を、自分たちの物語を書きたいってなって、書き直すことにしました。

──三部作は一貫して愛をテーマにしていますが、今作の愛のカタチは?

昔は、重力を説明する言葉として“愛”を使っていたようです。星と星が愛し合ってるから惹かれ合うとか、自分たちの身近な感情で物事を説明していて。それがすごく面白くって、それを私たちの神話として書きたいなって。おそらく神話とか昔話ってその当時のリアルじゃないですか。「昔の人の教養はギリシャ神話とかシェイクスピアだったけど、現代の日本で引用されるべきは、ドラゴンボールやワンピースの方が神話」って話を聞いたときに、その感覚がいいなと。より自分たちに即した神話をつくる。昔も今も変わっていないところはあるので、それを同時に探っていきたいです。

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