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小吹隆文が選ぶ11月のスペシャル展覧会

上/《静物》1948年 モランディ美術館(ボローニャ)蔵 下/辻晉堂《時計》 1956年 陶彫 京都国立近代美術館蔵 右/ヤマガミユキヒロ《sleep walking》 2011年 キャンバス・プロジェクション

Profile

小吹隆文

情報誌の編集部を経て、'05年よりフリーの美術ライターとして活動。「とにかく誰よりも現場を見て歩く」のが信条。膨大なアート情報から鋭い感性で、いま必見の展覧会をピックアップ。

11月のキーワード 年末からスタート! 3つの注目展覧会

今年の秋は10月に大規模展が出揃い、年末から始まる展覧会はさほど多くありません。ただ、阪神間で開催される個性的な3つの企画展がおすすめです。これらは、地味で、渋めで、大規模ではありませんが、中身はどれも一流品です。また、それぞれのジャンル、地域、時代が異なるので、どれか一つはお気に入りが見つかるのではないでしょうか。初冬の関西を彩る個性派の3展覧会をお楽しみください。

『ジョルジョ・モランディー終わりなき変奏ー』

20世紀イタリアを代表する画家の一人、ジョルジョ・モランディ(1890~1964)。彼は静物画や風景画など限られた主題を繰り返し描いたことで知られています。特に有名なのは卓上に瓶や容器などを並べた静物画で、モチーフの組み合わせや配置を変えていくつものバリエーションを生み出しました。それらは一見すると単なる繰り返しに見えるかもしれませんが、実際はどれ一つとして同じではありません。そして画家の妥協なき探求心により、作品は物を写すことを超えた高い精神性を帯びるのです。日本では3度目、17年ぶりの個展となる今展では、画家の故郷ボローニャにあるモランディ美術館から全面的な協力を得て、同館所蔵品を中心とした油彩画約50点、水彩、素描、版画約50点を展示。モチーフごとに分けた11のセクションで、モランディ芸術の本質に迫ります。
※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて

《花》1950年 モランディ美術館(ボローニャ)蔵

《静物》1949年 モランディ美術館(ボローニャ)蔵

Art Data

期間:12月8日(火)~2016年2月14日(日)
会場:兵庫県立美術館
『戦後のボーダレス 現代陶芸の貌』

陶芸といえば茶碗などの器、つまり実用品を想像しがちですが、その一方で造形表現を主としたオブジェとしての陶芸も存在します。日本では第2次大戦後すぐの1947年に京都で「四耕会」が、翌年には「走泥社」が結成され、「オブジェ陶」と呼ばれる作品を発表しました。戦後という新たな時代を迎え、これまでのカテゴリーにはとらわれない表現を求める人たちが現れたのです。こうした動きは絵画、彫刻、写真、書道、生け花にも及び、それぞれがジャンルの垣根を超えて活発な交流を繰り広げました。本展では「戦後のボーダレス」をキーワードに、前衛陶芸の深化の過程に迫ります。出展作家は、八木一夫、林康夫、辻晋堂、鈴木治、宇野三郎、山田光などの陶芸家たち。また、同時代の芸術家として、吉原治良、白髪一雄、須田国太郎らの美術作品も出展されます。
※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて


  • 八木一夫《ザムザ氏の散歩》1954年 陶 個人蔵

  • 林康夫《雲》1948年 陶 未生流中山文甫会蔵

  • 宇野三吾《土偶形花器》1950年前後 陶 滋賀県立陶芸の森陶芸館蔵

Art Data

期間:11月28日(土)~2016年2月7日(日)
会場:芦屋市立美術博物館
『A-Lab Exhibition Vol.1 まちの中の時間』

さる10月31日に、兵庫県尼崎市長洲町2丁目(阪神尼崎駅北東へ徒歩約15分)に誕生したアートスペース「あまらぶアートラボ『A-Lab』」。旧公民館の建物を再活用したこの施設では、若手アーティストの発表・創作、ワークショップ、トークイベントが行われ、町づくりとアートについて考える場となります。その展覧会第1弾として行われるのが「まちの中の時間」です。出展作家は、絵画と映像を組み合わせた独自の作品で知られるヤマガミユキヒロ、様々な場所でインスタレーションを制作している小出麻代、写真を中心に、映像、立体などを手掛ける田中健作の3名。各作家のこれまでの作品を展示し、 それぞれのテーマや取り組みを紹介します。また、この3作家は展覧会終了後も地域でフィールドワークやリサーチを行い、来年度以降に新作個展を行う予定です。
※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて

ヤマガミユキヒロ《六甲の眺望》 2013年 キャンバス・プロジェクション

Art Data

期間:11月29日(日)~2016年1月11日(祝・月)
会場:あまらぶアートラボ A-Lab

取材・文/小吹隆文

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