占い

カメリア・マキの魔女占い

Profile

カメリア・マキ・ダークムーン

『SAVVY』誌では創刊時よりホロスコープを担当。アメリカで魔女学を修め、当時の全米魔女協会より魔女名・Darkmoonを受けた日本人初の魔女。池袋コミュニティカレッジで魔女学の講師を務めた後、現在北海道でカルチャースクール講師、弟子の養成にあたる。著書に『魔女のメッセージ』などがある。

魔女の近況2025.4.8 Update

何年かおきに見聞きする占いトラブル。

私がデビューした50年前の関西は、プロの水準がとても高かったので、

(明治政府が出来るまで存在した、京都御所の陰陽司から直接指導を受けた人がまだいたし、

現役で神社庁と付き合いがあり、顧問的立場にある人もいた。)

20代の新米はイベントなどで同席する『この道ン十年』という先輩方の、

厳しい指導と洗礼を避けて通ることは出来なかった。

それに耐えられないと、とてもプロは無理と脱落して行く人も多かった。

阪神淡路大震災を機に、東京に移転することになったとき、

東京のあまりのレベルの低さにちょっとがっかりした。

需要あるところに供給ありと言うけれど、占いがブームだからとまともに勉強もしてない

レベルの人が、自称占い師として『鑑定』なるものを行う。

また、イベントでそのレベルの人を使う方も、プロの占い師がどんなものかを

ご存じないので、頭数そろっていれば問題はないだろうと採用してしまう。

まあ、日本では占い師になるのに資格も免許も必要ないので、

昨日まで何をしていようと、『占いやります』と言えば通ってしまう危うさ。

その結果、いい加減な人に当たったら、不愉快な印象だけでなく、占いそのものが

信頼できないものと嫌いになってしまうことも。

それが日本の現実なら、プロとしては誠に残念なことだけれど、

その現状を批判する元気はもうない。

せめて、『占いはお料理と似ている』ことを伝えておきたい。

インスタントラーメンがお料理かどうかは別として、

とりあえず空腹を満たし、ひと息つけばそれでよし、という状態ならそれもあり。

でも、超一流ホテルのシェフや料亭の板前さんが提供するお料理に期待するなら、

いただく方もプロに対するそれなりの敬意とマナーと心構え、そして費用が必要なことは当然。

(その昔、パリの五つ星レストランMでディナーをいただく機会があったとき、

ドレスコードが指定されていてびっくりしたことがある。)

占い師のレベルというのは、どんな人を顧客に持つかによって計れるものでもある。

企業の経営者、医師、弁護士などの専門家を拝見するときは、

最低顧客と同じレベルの知識と業界の事情を理解していないと、適格な鑑定

(顧客が納得するだけの回答)は難しいと思える。

占いは究極の個人情報を管理する場でもある。

鑑定の前に、『個人情報保護法』の解説とその取り扱いの説明があるかどうかも含めて、

信頼できるプロかどうかを見極める参考にしていただきたい。

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