『Meets』編集部の余談。

ぎょうざの古屋 京都移転日記。第1回

2020.5.2 19:11

カテゴリ：コラム

1988年創業。
味噌ダレ自慢の神戸餃子といえば！な［餃子専門店 古屋］が、
コロナの影響がいよいよ全国へと波及し始めた３月末、
神戸・元町の店を閉めて、京都へ移転するというではないか。
奇しくもその頃、ミーツは『京都特集』の取材真っ直中。
そこで、店主・古屋泰三さんの京都引っ越し～開店までを追う、
酒と涙にまみれた、期間限定の来京日記。

—
書いた人＝古屋泰三さん
［餃子専門店 古屋］店主。今春、元町の自店も塩屋の自宅もたたんで、
勢いで憧れの地・京都へ。趣味はサーフィン。この連載と並行して、
HPでもコラムを執筆中。www.gyoza-furuya.com/index.html

第1回
4月1日（水）

月初めやから新しい店舗の鍵をもらい、
軽く内装をしてくれる鳥羽一郎なオッチャンと打ち合わせだけで今日は終了。

4月2日（木）

今日は今住んでる塩屋の家の掃除が仕事。
おれはそんな潔癖ちゃうから掃除しながら
コロナのテレビを見て30分ほど損したと思えば、
数年前のアルバイトの写真付き履歴書がダンボールの中から出てきて
15分ほど過去にひたってしまい、気がつけばもう夕方。
近所でビールと夜の楽しみのアテを仕入れた。

テレビをつけたらやっぱりオール・コロナ。
どないなるんやろか。［串カツの田中］も数日店を閉めるらしい。［鳥貴族］も。
あいつらは大手やからええが、こっちは本物の自転車操業。即アウトやで。

そんな状況の時に、京都移転。どうなるんやろか。最悪中の最悪のタイミング。
でも実はそんな移転のタイミングこそ月の売り上げがマックス最悪やから、
あとは伸びるだけ。大丈夫やろ。おれの場合は人は雇わんでえーし、
固定費は知れてるし、なんとかなるわ。　

4月3日（金）

12時に裏寺のお店で冷蔵庫の設置について担当のホシザキと打ち合わせがあるから、
12時前には河原町には到着せなあかんから到着時間の逆算して塩屋を出たのが10時前。
そしたら虫の知らせか、バッキー・イノウエ大先輩からメールが入り「いつ京都にくんの」と。
「今、電車で京都に向かいホシザキと打ち合わせです」と返信すると
バッキー大先輩は「その前にお好み焼きでも食いにいくけ」。
おれはバッキー大先輩とゆっくり乾杯したいから、
ミーティング終わったら連絡しまっさと返信してホシザキとミーティングへ。

しかし、新店はいかんせん４坪の狭い店。簡単にはいかんわ。
台下冷蔵庫、製氷機、自動洗浄機、もう１台冷凍冷蔵庫。
それを4坪のうちの１坪ほどに入れる。さすがのホシザキもメジャーで行ったり来たり。
最後は「洗浄機は無理ですわ。手洗いで頑張りましょう」。
なぜか、それが嬉しかった。

それからタクティクス京都支部長のバッキーさんに、今終わりましたと電話。
「ほな、藤井大丸の前な。10分後」。

藤井大丸前でバッキーさんと合流すると、タクシーで「七条川端なんとかを下に」。
到着したのが［お好み焼き吉野］。
バッキー大先輩は一品注文してくれて、まるでサイダーを注文するみたいに大瓶1本頼んでくれた。
この１本から4月3日の京都の１日が始まったのだ。（続く）

◎古屋さん最新店の記事はこちら
https://www.lmagazine.jp/meets/

◎電子書籍はこちらから
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※楽天kobo／Rederstore／ブックパス／Kinoppy／googleブックス／角川BOOK WALKER／honto／Apple Booksなど順次発売されます。

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来（今年で31年目突入！）、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める（飲み過ぎる）スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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