『Meets』編集部の余談。

仏像を彫る。 三刀目

2020.5.19 18:30

カテゴリ:コラム

寺好きが理由で、縁の無い奈良に住む編集Oが、
一から仏像を彫ってみる無謀な体験記。
小学生以来握る彫刻刀の扱いに悪戦苦闘、
「ホンマに彫れんのか?」と不安を抱きつつ、
家時間の過ごし方としての新趣味開拓を目指す。
いたって真面目に、仏像に向き合います。


三刀目
材料を揃える。

前回までは奈良仏師の折上稔史さんの元を訪ね、
マンツーマン指導で仏像彫刻の基礎を学んできた。
ぼちぼちと「本格始動せねば!」ということで、
今回は必要な材料を集めていくことに。

まず何が必要で、どこで買えばよいのか、
正直さっぱりなので折上さんにまるっと相談。
ひとまず必要な材料は以下の通り。

<必要な材料(一例)>
○木材
○彫刻刀
・印刀(小刀)・・・12mm
・丸刀・・・9mm、3mm
・平刀・・・3mm
・三角刀・・・3mm
○曲尺(cmではなく寸目のもの)
○『仏像彫刻のすすめ』松久朋琳 著/日貿出版社
△ノコギリ(必要に応じて)

彫刻刀は折上さんに教えていただいた、
ネットショップの[ケインドレイク]で、
その他はAmazonやホームセンターで調達。

ちなみに、彫刻刀を買うときの目安は、
1本2,000円前後のものを選ぶように、とのこと。
もっと高価なものもあるが、大差は無いそう。
逆に安価なものだとすぐに切れなくなるので、
仏像彫刻では避けた方がよい。
10本など、セット販売で揃えるのもおすすめ。

彫刻刀は、折上さんが使わなくなったものを譲っていただいた。。左の三角刀のみ追加購入。

木材は現物を見て決める。

仏像彫刻で最重要なのはやはり木材。
これだけは現物を見て決めたかったので、
桜井市にある[中宇木材株式会社]を訪ねた。
こちらは折上さんを始め、
仏師の方からの信頼も厚いという。

元々は建具材を中心に扱う会社だが、
仏像や能面用木材の販売が評判となり、
現在はネットショップ[木楽屋]も運営する。

訪ねた日は代表の中川佳三さんの案内の元、
仏像彫刻用の木材を見せていただいた。
「仏像用の木材といえば木曽檜ですね。
まず柔らかくて彫りやすいのが第一。
そして年輪の目が細かいので、

仏様の表情がやさしく仕上がるんです。」

1mmにも満たないほどの細かい年輪が刻まれた木曽檜。

仏像用の木材としては木曽檜の他にも、
仁王像など荒々しい表現に向いている、
クスや、ヒバなどがあるのだそう。

いきなり30cmの仏像を彫るつもりだったが、
この美しい木曽檜の木目を見たら、
素人が切り刻んでは畏れ多い気がして、
練習用に小さな木材を選ぶことにした。

これでひとまず材料はコンプリート。
次からようやく本格始動(たぶん)して、
ひとまず仏頭を彫っていきます。


◎訪ねたのは
中宇木材株式会社(木楽屋)
奈良県桜井市芝912
TEL 0120-666-240
8:30~17:30
日・祝休&第2・4土曜休
木楽屋HP(http://www.nara-kirakuya.com
木楽屋Twitter

https://twitter.com/kirakuya0120

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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