『Meets』編集部の余談。

仏像を彫る。 四刀目

2020.5.26 17:00

カテゴリ:コラム

寺好きが理由で、縁の無い奈良に住む編集Oが、
一から仏像を彫ってみる無謀な体験記。
小学生以来握る彫刻刀の扱いに悪戦苦闘、
「ホンマに彫れんのか?」と不安を抱きつつ、
家時間の過ごし方としての新趣味開拓を目指す。
いたって真面目に、仏像に向き合います。


四刀目
木材に下絵を書く。

資材調達を終え、今回から本格的に彫刻開始。

手始めに仏頭(仏様の頭部)を練習していくが、
ここから画的に地味な更新が続く気がするので、
おおらかな目で見守っていただければ。。

前回[中宇木材株式会社(木楽屋)]で、
釈迦如来仏頭用に切り出された木曽檜を購入。
仏像彫刻のサイズは寸や尺が基準となっていて、
これで高さが3寸半、幅1寸半、奥行き1寸6分。
(1寸=約3cmで換算)

鼻を近づけると芳しい檜の香りがする。

まずこの木に下絵の線を引いていくところから。
今後は参考書であり、生命線になっていくはずの、
『仏像彫刻のすすめ』に頼り切る予定だ。

Amazonで購入の『仏像彫刻のすすめ』松久朋琳 著/日貿出版社

本の中で紹介されている仏頭彫刻の項目は、
地蔵菩薩、釈迦如来、聖観音の三体。
彫刻手順が詳細に書かれており、
ひとまず指示通りに線を引いていく。

ちなみに、今回釈迦如来を選んだのは、
螺髪(らほつ)を彫ってみたかったから。
というのも、絶対どこかで心が折れそうなので、
初っぱなから負荷を掛けておこうという算段。
(裏目に出る気もするが・・・)

線を引くのに使う曲尺は寸目のもの。
通常1cmにあたる目盛りのところが1寸で、
これでだいたい3cmの寸法。

余談だが仏像彫刻の世界には比率を表す、
“一ツ”や“半”という長さの単位がある。
1尺の仏像なら、その10分の1の1寸が“一ツ”、
その半分の5分が“半”になる。
手練れっぽく“一ツ半”とか言うと、なんか粋だ。

今回は“一ツ”が1寸がなので計算がしやすい。

見様見真似で参考書通りに線を引き終えた。
目鼻口耳も書いて配置を決めるらしいが、
彫り進めるとほとんど消えていくので、
進むごとに線を書いて位置を決めていくようだ。

今回は下絵だけで精一杯。
次から彫刻刀の出番!と思っていたが、
前回のブログを見た仏師の折上さんから、
「仏頭やるみたいですね。
もしかすると最初で詰むかもしれませんよ。」
と、なにやら恐ろしいメールが・・・。

(続く)


◎過去の記事は
仏像を彫る。 三刀目
仏像を彫る。 二刀目
仏像を彫る。 一刀目

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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