『Meets』編集部の余談。

仏像を彫る。 七刀目

2020.6.17 18:13

カテゴリ:コラム

寺好きが理由で、縁の無い奈良に住む編集Oが、
一から仏像を彫ってみる無謀な体験記。
小学生以来握る彫刻刀の扱いに悪戦苦闘、
「ホンマに彫れんのか?」と不安を抱きつつ、
家時間の過ごし方としての新趣味開拓を目指す。
いたって真面目に、仏像に向き合います。


七刀目
輪郭を彫り出す。

「仏像を彫る。」は毎週火曜日更新。

そう決めて、時間不問ながら毎週更新してきたが、
ここへ来て初の水曜日アップ。

時間を戻すと、土曜日にちょっとした酒宴があり、
自粛明け初の二日酔いになったせいで、
“全然起き上がれないSUNDAY”になった。
週末のルーティーンがあっさり崩壊し、
またも平日の夜中に作業することに…。

その酒宴というのは、仏師の折上さんのお誘いで、
メールの文面の最後に、
「仏頭見ますので持ってきてくださいね」
とあったので、“我が子”を抱えて馳せ参じた。
(酒宴の話はまた別の機会で)

「今のところは順調そうですね」
そう言うと、彫る線をスラスラと引き始めた。
「ここからは立体感を出していくので、
斜線部は高低差をつけていってください」

と、酒の席でプチ講習を施してもらった。

家に帰って即実践、のはずが、
先述の通りで、彫り始めたのは昨晩の深夜1時。

ここからは実直に刃を進めるのみ。
彫刻刀の扱いにも少しずつ慣れ始め、
力を使わずに彫ることができるようになってきた。

もはや“バディ”として信頼を置く彫刻刀だが、
鋭い切れ味は文字通り「諸刃の剣」で、
実は先日、少しだけ指を切った。
1mmほどのかすり傷で大事には至らなかったが、
その切れ味を、身をもって体感した。

これから仏像彫刻をはじめる人は彫刻刀の握り方から覚えるべし。

ここで、折上さんの工房で教えてもらった、
基本の彫刻刀の握り方を少し紹介。
鉛筆持ちにして、反対の手の親指を使って、
刃の付け根あたりを押して彫っていくイメージ。

重要なのが、彫刻刀を持つ手の薬指。
必ず木に当てて作業をすることで、
刃の暴走を押さえるストッパーになる。
彫り過ぎや、ケガの予防につながるのだ。

黙々と2時間ほど作業を進めたものの、
輪郭がハッキリ出る程まではたどり着けなかった。
顔は次回にしよう。

一段落して、ふと思ったのだが、

なんか、頭長くね?


これでいいんだろうか?

水曜日の明け方4時前、
悶々としたまま眠り落ちた。


◎過去の記事は
仏像を彫る。 六刀目
仏像を彫る。 五刀目
仏像を彫る。 四刀目
仏像を彫る。 三刀目
仏像を彫る。 二刀目
仏像を彫る。 一刀目

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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