今週末、飲みたいワイン。第12回
カテゴリ:お酒
家飲みの日々が続くなか、偶然立ち寄った天満橋のワインショップ[salvis wine & records]で、お薦めのヴァンナチュール(自然派ワイン)の複雑な味わいに開眼。カタカナや専門用語が苦手な人でも楽しめる! 週末に飲みたい、小さな作り手による物語のあるワインを紹介します。
第12回
健全な土壌から、その土地ならではの味を。
『Fleur ‘18 / Le Jonc Blanc』
今回はフランスの南西部、ペリゴール地方ベルジュラックの白ワインをご紹介します。
ベルジュラックといえば、映画や日本で舞台にもなっている戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』で聞いたことのある方もいるかもしれませんね。この町のある南西フランスのペリゴール地方はフォアグラやトリュフが有名で、美食の町としても知られています。
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今回のワイナリー「ル・ジョン・ブラン」のフランク・パスカルさんは、ワインと全く縁のない仕事をしていましたが、ボルドーで出会ったイザベル・カルルさんと恋に落ち、ボルドーから100kmほど東に入った内陸の町ベルジュラックでワイン造りを始めます。
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「ジョン・ブラン」はこの土地の通称。ボルドーやサンテミリオンなど、世界的に有名なワイン産地と地続きのため、メルローやソーヴィニヨン、セミヨンなどのブドウ品種の栽培に適していることがわかっていました。が、品種の特性よりも土地の個性を最優先で表現するために、パスカルさんは土壌を、生態系のバランスがとれた健全な状態にすることに力を注ぎます。
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近代農法の栽培をしていた畑を、3年かけて有機農法(ビオ)の畑に転換。いまや完全にビオディナミの生産者として、土地のミネラル分を多く含むよく熟したブドウから、コクと果実味、フレッシュさ、酸のバランスがとれたおいしいワインを生み出しています。
ちなみにパスカルさんはビオの生産者には珍しい(!?)真面目で几帳面な性格で、年2回の取引先への報告を欠かさず、ボトルの裏のラベルにはブドウや土壌成分、収穫法、醸造法などのデータをこまかく記載しています。そんな真面目さと熱さも、狙いどおりの味わいを造り出すことに成功している秘訣かも。今後のワインにも期待がかかります。
どんな味ですか?
ブドウ品種はボルドーの白にも使われるソーヴィニヨンブラン、セミヨンが中心。ここに、ソーヴィニヨン・グリが20%ほど入ることで、ワインにコクや骨格が生まれます。ボディがしっかりあるのに、摘み立てのフレッシュさもあって飲み疲れない。チーズやパストラミを挟んだクロワッサン、和食ですとブリの照り焼きなど、コクのある味によく合います。
飲んでみました。
前回のようなワインだけでも飲めてしまうタイプとはまた異なり、料理と合わせてしみじみ楽しみたいワインです。有機農法ゆえのしっかりと熟した濃いブドウの味わい。爽やかななかに感じられる力強さやコクが、野口さんの言うソーヴィニヨン・グリの成分? 味の構成を言葉で説明できないのがもどかしい…ぜひ実際に味わってみてください。
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今週のワイン
フルール 18 / ル・ジョン・ブラン
産地:フランス・ベルジュラック
2,900円(税抜)
salvis wine & records
[天満橋]
大阪市北区天満3-3-18 順源ビル1F
TEL 06-6356-7072
12:00〜20:00 水曜休
Instagram(@salvis_wine)
店主・野口一知さんがセレクトする小さな作り手のワインと、好きな音楽のレコードを扱う専門店。ワインはヨーロッパを中心に約200種を扱い、その約8割がナチュールワイン。知識ゼロでも、味の好みや飲む相手などを伝えれば、ぴったりのワインを教えてくれる。奥には隠し部屋的なバー空間があるのでぜひお尋ねを。全国発送可。
プロフィール
MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。
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