ギョーザの古屋京都移転日記。第7回
カテゴリ:コラム
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1988年創業。
味噌ダレ自慢の神戸餃子といえば!な[餃子専門店 古屋]が、
コロナの影響がいよいよ全国へと波及し始めた3月末、
神戸・元町の店を閉めて、京都へ移転するというではないか。
奇しくもその頃、ミーツは『京都特集』の取材真っ直中。
そこで、店主・古屋泰三さんの京都引っ越し~開店までを追う、
酒と涙にまみれた、期間限定の来京日記。
書いた人=古屋泰三さん
[餃子専門店 古屋]店主。今春、元町の自店も塩屋の自宅もたたんで、勢いで憧れの地・京都へ。趣味はサーフィン。この連載と並行して、HPでもコラムを執筆中。
www.gyoza-furuya.com/index.html
5月15日(金)
今はコロナで場外馬券に行けないが、大好きな競馬で例えると
第4コーナーを通過して開店ゴールまでもう少し。
もっと競馬的に例えるならば、第9R「裏寺特別」が終わろうとしている。
その先は第10Rがありメインレースがあり、いずれG1もあり、
年末の有馬記念も待っている。休む間はないのだ。
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内装工事もほぼ終わり、五条の自宅に山積みのダンボールを裏寺のお店に運んだ。
これからは荷物をばらして整理して、配置を考えて、営業許可書を申請しに役所に行き、
食材を発注して試食して一番大切なギョーザの味を確認して、
仮オープンして、正式オープンの運びとなるが、いかんせんこのコロナ。
しかも知り合いがほぼない京都の街では、お世辞抜きで誰も来ない。
大切なのは、夢を見ずに現実をしっかり見て、日々美味しいギョーザを焼いて、
1日の終わりにお店でビール飲んで、帰りに銭湯に寄ってひと風呂浴びて
帰宅して本でも読んで、エッチなことを考えて寝てまた起きる。
その繰り返し。悪くない。高瀬川がある。鴨川もある。この時代なら合格や。
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昨夜、シャワーしてたらミサンガが切れた。
53歳の男が、いい歳してと思いつつ、一年以上前に足にミサンガをつけた。
ミサンガは幸せになるというブラジルのおまじない。
俺もそんな幸せにすがりたい気持ちからミサンガをつけたが、
まさかこのタイミングで切れたか。
鰻と焼肉とカキフライとFカップとムチムチと寺社仏閣と
矢沢永吉と志賀高原とスノーボードと銭湯が大好きな
ギョーザ屋のおっさんのおまじないが完結した。
幸せが訪れるのだ。よし、本気でミサンガを信じよう。
5月17日(日)
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先日、お店の椅子が届いた。組立てるのは苦手やなと思っていたら
内装屋の内田さんが手伝ってくれると言うので、二つ返事でお願いした。
内田さんは大工やから電動ドライバーを使い1時間ほどで仕上げてくれた。
ホンマに感謝。内田さんは昼過ぎには帰り、あとはひとりで準備を進めていく。
百均へ行っては買い忘れ、百均へ行っては買い忘れを3回繰り返したら夕方5時。
雨はまだ降っていた。
一旦帰宅して晩ご飯を食べてから[白山湯]へ。
下町の午後8時頃の銭湯は少し空いている。電気風呂、サウナ、水風呂、ジェットバス。
たまらん時間。風呂あがりに缶ビールを飲み干して帰路へ。
途中に京都タワーが美しく見える一角がある。
何をするわけでもないが、いつもシャッターを押してしまう。
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5月21日(木)
長かった準備期間も終わった。
最後に愛する息子を京都に呼び、一泊させてたっぷり遊んで神戸まで送り、
それからJR元町駅で下車して南京町の仕入先[恵記商行]に顔を出して、
神戸のお土産に[老祥記]に豚まんを買って京都に帰った。
その後三宮に行き、大好きな[イスズベーカリー]のハードトーストを買い、
阪急西口の裏にある大好きな[眠眠]の餃子を食べた。
久しぶりに神戸に帰った。生まれ育った街。三宮から新快速で京都に戻る。
不思議なもので、新快速がサントリーの山崎工場を通過したら、
「あーここから先は京都」と区切りになるのだ。
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5月27日(水)
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朝、お店に行き2カ月ぶりに白衣を着て仕込みに入る。
味噌ダレを作り、餃子のタレも作った。
予定としては、金曜日が仮オープン、土曜日からスタートとなる。
まあ、京都に知り合いはほぼいないしどうやら梅雨入りっぽいぞ。
ヨシヨシ。これでいいのだ。
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プロフィール
MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。
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