『Meets』編集部の余談。

捨てられないスニーカー。3足目。

2020.5.18 10:45

カテゴリ:ファッション

アーティスト・MASAGONさんと
オリジナルスニーカーのサンプル。

MASAGONさんが当時大好きだったadidasのハイカットスニーカー「フォーラム」のフォルムをベースに、ライオンをモチーフに作られたモデル「ライオン」。サンプルのため、片足のみ制作された。ぼんぼりの眼がポイント。

昔からスニーカーが好きでいろいろ買っていましたが、
そのほとんどが履き潰す前にソールが加水分解してしまってます。
でも、ソールだけ捨ててアッパーだけ保存しているんです。
リメイクして作品を作ったりするときに、使えるかなーと思って。
背丈が小さいので、ボリュームある靴が好きですね。

このスニーカーは、確か2003年前後の20代の頃、
服作りをしていた頃に作ったサンプルです。
僕のアイテムを取り扱ってもらっていた、
原宿のセレクトショップ[カンナビス]から依頼を受けて作った、
広島のスニーカーブランド「スピングル」とのコラボスニーカーです。

ソール裏側には、ライオンの肉球(っていうのでしょうか?)をイメージした模様が。

当時、手の形をしたバッグとか、
立体的なデザインが好きだったので、
スニーカーも立体的でかわいいものに仕上げたくて、
いくつかデザイン画を描きました。

デザイン案には、ライオンの他に、クマバージョンのアイデアも。

この「ライオン」モデルのこだわりは、たてがみです。
シューレースに通して、取り外しができるところがポイントなんです。
「ライオン」と、ベルクロ部分がモコモコなヘビになっているモデルも作りました。

もうひとつの幻の一足「ヘビ」バージョン。当時、MASAGONさん自身が履いていたベルクロのスニーカーがアイデアソースだったそう。

で、受注をとるべく展示会をしたら、ある有名セレクトショップのバイヤーさんから、
「この靴は、このサンプルの一足でいいね。商品じゃなくて作品だね」って言われて…。
結局、オーダーされたのは1足だけ。商品化には至りませんでした。

その後、僕は服作りからアート作品の制作にシフトしてたんですが、
[カンナビス]が、アメリカのファッションデザイナー、
ジェレミー・スコットを日本に呼んで、イベントを行っていると聞きました。
それからしばらくして、ジェレミーのブランドから、シュータン部分に
クマやぬいぐるみが付いてたり、シューレースに巨大な羽根があしらわれた、
奇抜なスニーカーをリリースされてて、それが大ブレイク!
でも動物的なモチーフだったり、羽が取り外しできたり、
この僕のデザイン画のアイデアと似てませんか? 

約10年経って時代は変わったな~と思いつつも、
なんだかちょっと悔しくなる(笑)、思い出の一足です。

まさごん●大阪を拠点に活動するアーティスト。グラフィティアートの手法をベースに、現在はさまざまなキャンバス作品を制作中。作品制作とともに、毎日のランニングも日課。近くロンドン在住のグラフィティーアーティスト、ベン・アインが運営する「OURTYPE」(https://www.ourtypes.com/)から、オリジナルフォントが発売予定。最新作品や近況は、インスタグラム=@hellomasagonより。

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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