『Meets』編集部の余談。

捨てられないスニーカー。4足目。

2020.6.1 11:00

カテゴリ:ファッション

ライター・鈴木淳史さんと
NEW BALANCE『FUEL CORE SONIC』

2017年発売の「FUEL CORE SONIC」。軽量性&反発性に優れたミッドソール、前進するライド感・接地感を高めるアウトソールが採用され、記録を追求するランナーのパワーを推進力へと変換するランニングモデル。現在は後継モデルがキッズ用のみで販売中。

もうかれこれ10年くらい前だろうか、
空前のニューバランスブームが起きていたのは。
まぁ、もちろん、その前から人気はあったのだが、
その頃特に盛り上がっていて、誰もがニューバランスを履いていた。
それが気持ち悪くて、逆に僕は母に頼んで、どこの会社かもわからない、
スーパーで売ってる謎のスニーカーを履いていた。
今から想えば、意味不明のカウンター意識。
1、2年経った頃、ニューバランス・ブームは過ぎて、
また違う有名会社の洒落たスニーカーを世間のみんなは履き出した。
そうなると、何故かニューバランスを判官贔屓したくなって、
僕はamazonで派手すぎる安めのランニングスニーカーを買ってみた。
これまた意味不明のカウンター意識。
ノリで買ったのだが、履いてみて驚いた。
軽すぎる…、履きやすすぎる…、歩きやすすぎる…。最高! 
なぜみんなは、こんな最高なスニーカーを手放したのだ!? 
それからは嬉しくなって、
追加で派手すぎる別のスニーカーと、
ベーシックなブラックスニーカーも買った。

そんなことを繰り返しているうちに、より履きやすさを追求して、
靴紐が無いニューバランスを探し始めた。
そして辿り着いたのが、こちら。
靴紐位置に丸スイッチがあり、
それをギーコギーコと回して締め付けを調節、
ちょうど良いところで丸スイッチを押すのだ。
スペイシーで近未来的な感じもむちゃくちゃ気に入って、
「これ絶対流行る!!」と思ったのだが、
周囲の反応は「何だか個性的なスニーカー…」で終わった。
ちなみに靴のサイドには、
『FUTURE OF FAST』(速さの未来)と書かれていた。

ダイヤルによる容易な着脱、調整を可能にしたBoa®クロージャーシステム。中足部をしっかり固定することで高速走行時でもブレず、緩まずに足との一体感を実現している。

正直、ギーコギーコ作業が多少面倒臭かったのもあり、
僕は新たなるニューバランスを探す旅を始めた。
そこで出逢ったのが、マジックテープで止めるだけの一足。
色は誠に地味な紺。
もちろん、お馴染みのNマークなんか付いてないし、
ランニングシューズのようなスタイリッシュさも皆無なので、
絶対にニューバランスだとは思われない。
母いわく「ヘルパーさんが利便性を追求して
履くような靴にしか見えない」とのこと。

ベルクロのランニングシューズ「FUEL CORE COAST」。快適なクッション性とフィット性で、ランBNイングはもちろん、フィットネスからウォーキングまで対応。かかとを踏んで履ける2WAY構造ゆえ、ラン後のサンダル遣いも実現。こちらも残念ながら廃盤。

ところが、これが今まで履いてきた中でも
圧倒的に履き心地が良い。
どこに行くにも履いていき、夏場は毎週、
全国各地のフェスのライブレポートへ履いていったら、
見事にクタクタになった。
でも、クタクタになればなるほど履きやすさが増すので、
絶対に僕は捨てられない。
今年の夏フェスにも履いていくつもりだったが、
どうやら今年は難しい御時世なので、
来年の夏フェスまで大事に履き続けたい。

鈴木淳史
1978年2月2日生まれ。芦屋市在住。 関西の雑誌ほか『クイックジャパン』などカルチャー誌でも活躍するライター&インタビュアー。 ABCラジオ『よなよな…なにわ筋カルチャーBOYZ』(毎週木曜夜10時~深夜1時)では、パーソナリティー兼構成も手掛ける。

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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