非オタのための、ももいろクローバーZ入門

2011.8.25 12:00
(写真4枚)

2011年は、「アイドルグループ戦国時代」。なんてことがいろんなメディアで言われているが、ハロプロもAKBもK−POPも全部含めて完全制覇しそうなのが、このももいろクローバーZだ。2008年の結成以来、一部のオタクには熱狂的に支持されていたが、ここにきてサブカル周辺からも「ももクロ、ヤバイ!」という声が多数聞かれるようになってきた。アイドルにとことん疎いLmaga.jp編集部も、この1カ月はももクロフィーバー状態。他のアイドルとどこが違うのか? そこで、非オタのためのももいろクローバーZ入門、やっちゃいます!

1 音楽好きをもくすぐる、変態的な楽曲たち

ももクロを語る上でまず外せないのが、楽曲の良さ! 最大級の褒め言葉として、ももクロの楽曲はとにかく「変態的」なのだ。いわゆるアイドルポップスとはほど遠い、エレクトロやメタル、さらにはジャングルまで詰め込んだアクロバティックかつプログレッシブなサウンド。テンション高いフレーズをこれでもかってほど連打し、転調に次ぐ転調もまったくお構いなし。とにかく音数が半端じゃない! 楽器で曲作りをする作家には思いつかないであろう、ももクロならではのパッチワーク的な煌びやかな展開は、まさにラップトップ・ミュージックの賜物。キーパーソン・前山田健一をはじめとする20~30代の若手作家を多用し、遊び心に富んだフレッシュな感性をそのまま楽曲に注ぎ込ませた、担当ディレクターの素晴らしきイカレた判断に拍手を贈りたい。

そんな作家陣によって作られたのは、特撮モノを完璧に演じた「Z伝説~終わりなき革命~」をはじめ、ロンバケのサントラをまんま忍ばせた「ミライボウル」や世界の民族音楽を博覧会的に巡らせた「ピンキージョーンズ」、バッキバキのアジアン・ジャングル with 一世風靡な「天手力男」に、森高千里「ロックンロール県庁所在地」を彷彿とさせる「ももクロのニッポン万歳!」などなど・・・。シングル化されてない曲はもちろん、アルバム未収録ですら恐ろしくハイレベル! とにかく、あらゆるモチーフが見え隠れして、音楽好きの遊び心をいい感じにくすぐってくれるのだ。

これって、全盛期のつんく♂プロデュース作品とまったく一緒。「LOVEマシーン」はショッキング・ブルーの「ヴィーナス」とそっくりだ、なんて騒ぐのは野暮。だって、「分かって」やってるんだから。これら手法は、ゲームのBGMをアレンジして自ら歌い、ニコニコ動画から火が付いた、前山田健一によるヒャダイン名義の作品にも通じるもの。それをパクリだなんて否定するならば、渋谷系もダンス★マンも氣志團も、そして、「決戦は金曜日」もないわけで、ちゃんとモチーフに敬意を払って、思いっきり遊びきる。菊地成孔あたりに分析をお願いしたくなる、大胆かつユニークな本気の遊び(=クリエイティブ)なのだ。いろんなツッコミができるのも、音楽の面白さのひとつ。じゃない?

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