トクマルシューゴ、その濃密な音世界

2012.11.27 12:00
(写真2枚)

「ライブの『奇跡感』を信じていて」(トクマルシューゴ)

──タイトルの『In Focus?』に関しては、どういった意図が含まれているんですか?

「Focus」という言葉はアルバム・ジャケットを作った後に決めたんですけど、始めからタイトルにハテナは付けたいなと思っていたんですよ。ちょっとおちゃらけた気持ちもありつつ、これで良いのか悪いのか、ひとりで作ったがゆえにわからない状態のまま出したかったので。でも、とりあえず自己満足したかったというのがスタートでそれがやり切れたので、今は早く次のアルバムを誰かに作って欲しいですね(笑)。

──でも、ひとりでとことんやり切ったことで、再確認できたことも多かったのでは?

ありますね。自分だけでやるからこそ突き詰められるポイントもあれば、逆にココは他の人のアイデアを使った方が面白くなるじゃないかという点もありますし。今回はこうしてひとりでやり切れて良かったと思います。

──そして、そんなひとりの世界を突き詰めた『In Focus?』を引っさげてのツアーも、すでにスタートしていますが(京都は11/28・磔磔、大阪は12/12・梅田クラブクアトロにて)。

わりと音源に近い形でみせられる曲もあれば、全然違う形になっている曲もありますね。ライブに関しては、もともと消極的というか苦手なところがあったんですけど、最近はライブの世界はライブの世界でなにかもっと突き詰められるんじゃないかな、という気がしてきていて。今回のアルバムと同じように、徹底的に突き詰めてやってやろうという気持ちも出てきていますね。まだ途中段階ではあるんですけど、いいライブがみせられるだろうと思っていますね。

「自己満足したかったというのがスタート」とトクマルシューゴ
「自己満足したかったというのがスタート」とトクマルシューゴ

──ライブにはさほど積極的ではなかったんですか?

うん。魅力はあったんですけど、僕はライブに対して「奇跡感」みたいなものをすごく信じていて。もともとそういうものを持っていて、ライブで突拍子もないことをやるバンドが好きだったのもあるんですけど。

──奇跡感のあるライブというのは稀にありますよね。毎回できることではないかもしれないですが。

そうですね。そこを「奇跡待ち」みたいな感じではなくもっと突き詰めることで、それを毎回起こせるライブで世界中を回りたいなというのはありますね(笑)。

──それはまさに「マジック・バンド」ですね(笑)。トクマルさんにとって、そういった「奇跡感」があるのは例えばどんなバンドですが?

日本で言えば、テニスコーツですね。あの人たちは全然良くない時もあればすごく良い時もあるんですけど。そういう点も含めて追っかけたい気持ちになりますね。あとは、今年の初めに一緒にツアーを回ったベイルートも。彼らはスタンダードにいいライブをやってくれるバンドですけど、そいういうのもいいなと思います。

──ベイルートの水準でテニスコーツの最高の時の奇跡感を毎回出すライブ・・・。それは大変ですね(笑)。

理想ですけどね(笑)。でも、来てよかったと思えるライブにしたいですし、意外にも日本でのワンマン・ツアーは今回が初めてなので、楽しみにしていてください!

トクマルシューゴ

東京都出身。ギターと玩具を主軸に無数の楽器を演奏する音楽家。楽曲の全てを作曲、演奏、録音までひとりで作り上げている。TONOFONを主宰。 2004年5月、アメリカのインディレーベル「Music Related」より、1stアルバム『Night Piece』をリリース。無名の日本人、日本語歌詞にも関わらず、絶賛を浴びる。以降、ワールドワイドな活動を行いながら、国内では無印良品のCMを手がけるなど、着々と活躍の場を広げている。

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