今もっともヤバい俳優・柳楽優弥「20代は完全勝利で攻めたい」

2014.11.13 12:00
(写真5枚)

「意外と勘違いする人が多いんですよね」(柳楽優弥)

──そんな話があるんですか?

いや、まだ全然ないんですけど、なんかやりたいですね。台本がなかった『誰も知らない』の演出は特殊だったんで。はっきり言ってあまり覚えてないんですけれども、その人の個性がわりと表面に出る演出ですよね。だから、自分がキャリア積んでいったらまたなんかやりたいなと。

──あそこまでのフリーな演出は是枝さんにとっても特殊だったと思いますね。また『誰も知らない』のスタイルで組んだら面白いかもしれませんね。

最高ですね。それだったら俺、超居心地良くてたまんないですね。その場で台詞とか教えてもらいたいですもん。

デビュー作でいきなりカンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞した柳楽優弥

──そう言えるのは柳楽さんが演技力についての自信を深められたこそだと思いますね。それにしてもあの時点で、あの年齢とあの経験値でカンヌの賞を獲っちゃったっていうのは、想像を絶するプレッシャーだっただろうなと。当時僕はいろいろなところに書いたりもしたんですが、なんてカンヌは残酷なことをするんだと。まるで才能を潰しにかかってるようなもんじゃないか、と。

いや、プレッシャーですよ、これは。常に周りから高いものを求められたっていうのが、すごく嫌でしたね、キツいな~って。まだ14歳とかだったので家族はいてくれましたけれど、自分ひとりで考えちゃうモードになったというか。

──でも家族と同居されていて、まだ良かったですね。

良かったです。本当に1人だったら・・・ちょっと考えられないですけど。今思えば後悔は全くないですし、10代の割にいろいろ経験できたので。バイトしたりとか。

──当時芸能ネタで話題になりましたよね。

バイトやりたかったんですよ、結構。中学高校でみんなやってるのにやれなかったから。すごく楽しかった。しっかり夢かなったし。でも太り過ぎちゃったり(笑)。

──結構『戦慄迷宮3D』(2009年)のときとか、しんどかったんじゃないですか? しんどさが画面に出てた感じがするんですね。あれ観たときは怖いとか3Dの効果とかより、柳楽さんの行く末が心配になった。

良くなかったですね・・・良くなかったって言っちゃったら失礼なんだけど、確かにしんどかった(笑)。

『許されざる者』© 2013 Warner Entertainment Japan Inc.
『許されざる者』© 2013 Warner Entertainment Japan Inc.

──でも、2014年現在、名前があるだけでこの作品は観なければ、と思わせる俳優のひとりに返り咲いたわけですよね。やっぱりそのきっかけは李相日監督の『許されざる者』だったと思います。いってみれば是枝的演出とは真逆ともいえる監督だと思いますが。

もちろんです。それはもう(李監督には)頭が上がらないです。でも意外と勘違いする人が多いんですよね。(復活したのは)『アオイホノオ』からだとか『クローズEXPLODE』からだ、とかみたいな。じゃなくて『許されざる者』からなんですよ、事実。あれがあったから『闇金ウシジマくん Part2』でもあんな風に演れたんです。「ファンに嫌われちゃう~」みたいなところは吹っ切れて、「ファンなんて、みんな居なくなれー!」みたいな勢いで(笑)。正直、10代は完敗だったので、20代は完全勝利で攻めたいなと、そんな気持ちでいます。

──やっぱり奥さんが良かったんじゃないですかね? エリーさんの表情見てるとそんな感じがして仕方ない(笑)。

そうですね、出会えたのは本当に。ホントにいい人なんです。それは確実にあります。大きいですね。

柳楽優弥(やぎら・ゆうや)

映画『最後の命』
2014年11月8日(土)公開
監督:松本准平
出演:柳楽優弥、矢野聖人、比留川游、ほか
配給:ティ・ジョイ R15+

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