日本のゴッホに迫る展覧会、滋賀で

2015.3.24 14:10

パリのサクレクール寺院(貼絵) © 清美社

(写真2枚)

青年時代の放浪記を描いたテレビドラマでお馴染みの山下清。”日本のゴッホ””裸の大将”とも呼ばれ、抜群の認知度を誇る彼ですが、その作品を実際に見たことがあるという人は少ないのではないでしょうか。

今回の展覧会は、年代別に選考された3章で構成。児童福祉施設に通いながら貼り絵と出合った少年期から、ヨーロッパを旅しながら「パリのサクレクール寺院」を描いた晩年期まで、49年の生涯に迫る資料と作品が一堂に集まります。

ドラマでも見られたように、放浪時代の印象が強い山下清。しかし徴兵免除のために放浪をしていたのは1940~54年の14年間ほどで、アーティストとして円熟期を迎えるのはその後のことです。「ロンドンのタワーブリッジ」をはじめとしたヨーロッパ旅行中の作品の中には、水性画やペン画などさまざまな技法を駆使した意欲作が見られます。

長岡の花火(貼絵) © 清美社
長岡の花火(貼絵) © 清美社

また、1950年の代表作「長岡の花火」では、紙をねじって細い線を生み出す”こより”を用いて臨場感溢れる花火を表現しました。貼り絵とは思えないほど細部まで描ききる繊細さには、感動を覚えることでしょう。

美術館併設の[ミュージアムカフェ SAM]では、限定メニューとして「おにぎりセット1,080円」も登場。国民に愛される天才画家が旅先で出合った美しい風景を、名作を通じて共有してみませんか?

文/中 和久

「放浪の天才画家 山下清展」

期間:2015年4月3日(金)~6月14日(日)
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
会場:佐川美術館(滋賀県守山市水保町北川2891)
料金:一般1,000円、高・大学生600円、中学生以下無料(要保護者同伴)
電話:077-585-7800

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