高野山最古の建造物がご開帳

2015.3.5 13:02

高野山開創1200年を記念にご開帳される多宝塔

(写真2枚)

鎌倉時代1211年に北条政子が、夫・初代将軍源頼朝を弔うために建立した寺院「金剛三昧院(こんごうさんまいいん)」(和歌山県高野町)。メインストリートから外れていたために数々の災禍から逃れて、貴重な建物や仏像が残り、2004年に塔頭(たっちゅう)宿坊寺院の中で唯一世界遺産に登録。高野山開創1200年を記念して、多宝塔がご開帳されます。

高野山では最古の建物でもある多宝塔は、大津市の石山寺、泉佐野市の慈眼院のものとともに日本三名塔としても知られています。高さを低くおさえ、下層内部に四天柱が立ち、桧皮葺の屋根と、古い時代の多宝塔の姿を堪能できます。また中に入ると、建築時のものと推測される極彩色で描かれた仏画や文様が残されているんだとか。その中に安置されている秘仏・五智如来像も、名仏師運慶作と伝えられ見逃せません。

宿坊としても有名な寺院「金剛三昧院」
宿坊としても有名な寺院「金剛三昧院」

また、この寺院は宿坊としても有名。本堂や書院造の本坊に入ることができるのは宿泊者のみ。高野山で採れた山菜などを使った精進料理をいただけ、読経などの勤行や、ご本尊である愛染明王(こちらも運慶作と伝えられている)を拝んだり、室町時代に活躍した画家小栗宗丹の襖絵を間近でみることができます。

ほかにも建築様式が奈良の東大寺正倉院と同じ校倉造である重要文化財・経蔵、5月にちょうど開花のピークを迎える国指定の天然記念物、樹齢450年のシャクナゲなど見所もたっぷりです。

取材・文/浅野はるか

金剛三昧院 「多宝塔ご開帳」

日時:2015年4月2日(木)~5月21日(木)
時間:8:30~17:00(受付は30分前まで)
料金:500円 ※宿坊料金など詳細は公式サイトにて
住所:和歌山県高野町高野山425
電話:0736-56-3838

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