宝塚退団後の夢咲ねねに聞く今の想い

2015.5.27 16:34

夢咲ねね

(写真2枚)

宝塚の一時代を築いた星組トップスター・柚希礼音の相手役として、6年間トップ娘役を務めた夢咲ねね。5月10日に退団した彼女が、早くも女優として始動する。7月4日、自身の誕生日に(東京公演が)開幕するミュージカル『サンセット大通り』で、サブヒロインとも言えるベティ・シェーファー役を演じるのだ。

退団後間もない夢咲は、長い髪を切り髪色をダークに染めた。12年間の宝塚生活について、「柚希さんをはじめ、プラスもマイナスもさらけ出せる家族のようなメンバーに出会えたことが宝物です」と振り返る。寂しさはもちろんあるが、大役を果たした充実感からか、その表情はどこか晴れやかだ。「今は少しホッとしています。同期に会ったら『表情が柔らかくなったね』と言われました(笑)」

『サンセット大通り』はアンドリュー・ロイド=ウェバーの音楽で彩られ、歌の比重が非常に高い大作ミュージカル。「ロイド=ウェバーさんの曲は”音符自体が物語っている”と言われますが、急に高くなったり、謎の8分の5拍子という記号まで出てきて、音符から外れたら大変だなって! 一歩歌い遅れると歌えなくなるので、しっかりと歌いこなし、お客様にうっとりして頂けるように頑張ります」

2012年の日本初演では、主役の大女優ノーマを演じた安蘭けいが第38回菊田一夫演劇賞を受賞した。再びノーマを演じる元星組トップスター・安蘭のことを、「とても繊細な心の動きを表現される方で尊敬しています。在団中と同じく温かく接して下さり心強いです」と頼りにしている様子。さらにWキャストでノーマを演じる濱田めぐみについて、「曲ひとつで表現される世界観が広すぎて本当に圧倒されます。おふたりのノーマを稽古場から観させて頂けるなんて、ファン目線になりそうで怖いです(笑)」

ミュージカル『サンセット大通り』
ミュージカル『サンセット大通り』

宝塚歌劇時代は、仏発日本初演の『ロミオとジュリエット』、『オーシャンズ11』など大作で次々とヒロインを演じ切った夢咲。「幼い頃からドラマや映画を観るのが大好きで、バレエの発表会でも一幕ものを踊るのが好きでした。やっぱりお芝居が昔から好きだったんだなと思います。宝塚ではよく”感覚人間”と言われました。苦悩する場面でも、自分の悩んでいる感情とうまくリンクして表現できたとき、不思議な達成感がありました」。根っからの女優・夢咲ねねの新たなスタートを見届けて。

取材・文・写真/小野寺亜紀

ミュージカル『サンセット大通り』

日程:7月31日(金)~8月2日(日)
会場:シアターBRAVA!
料金:S席12,600円、A席9,000円、U-25(25歳以下対象)5,000円
電話:06-6377-3800(梅田芸術劇場)

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