大阪でプレゼン、映画「星の王子さま」

2015.5.20 17:16

マーク・オズボーン監督とキャラクター監修の四角英孝(右)

(写真1枚)

星の王子さまと砂漠で出逢ったあの飛行士は生きていた・・・。砂漠に不時着した青年飛行士が、ちいさな星からやってきた王子と出会う『星の王子さま』は、1943年にアメリカで出版されて以来、世界270以上の言語・方言に訳される大ベストセラー作品(翻訳の多さでは聖書の次なんだとか!)。その物語の、”その後”を描いた長編アニメーション映画が今年11月に公開されることに。

その映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』は、”現実世界”を最先端のCGアニメーションを使い、さらに”イマジネーションの世界”を繊細な紙製パペットのコマ撮りで制作したハイブリッド・アニメーション。先日、プレゼンテーションのために来阪したマーク・オズボーン監督とキャラクター監修の四角英孝(なんと大阪・枚方出身!)が、17分間のフッテージ映像とともに制作秘話を語った。

マーク・オズボーン監督は、『カンフーパンダ』で一躍その名を知らしめ、ジブリ好きでも知られるアメリカ人監督。フランスに惚れ込んで、一家で移住してしまうなど、好きなものにはトコトンのめり込むタイプだ。「この原作小説は、僕と妻の愛を支えた思い出の物語でもある。25年も前の話だけど、学生時代にアニメーションの勉強のため遠距離恋愛をすることになったとき、彼女から手渡されたのが『星の王子さま』。”大切なものは、目に見えない”という一節は、離ればなれでも心が繋がっていることを教えてくれた。もうボロボロだけど、大切な1冊なんだ」と思い入れたっぷりにコメントした。

それだけに、「映画にして欲しい」とオファーされた時は、即座に「NO!」と断ったんだそう。が、どうしても頭から離れず、何か方法があるのでは?と考えて思いついたのが、当時幼かった自分の娘に、本を読む体験の素晴しさを伝えるというテーマだった。「70年前に書かれたものだけど、今の時代も変わらず共感できる。この映画もそうでありたいね」。

一方、6年間ディズニーに勤務し、『塔の上のラプンツェル』や『シュガー・ラッシュ』などを手がけてきた、キャラクター監修の四角英孝は、「撮影には、キャラクター準備だけでも膨大な作業がある」と映像を交えて語り、CGの世界の奥深さを見せつけた。「リアルにやりすぎるとキャラの動きを殺してしまうんです」。アニメらしい誇張とリアルさとの共存を目指す四角にとって、CGとストップモーションアニメを融合させるという本作の挑戦は、求めていた”次の道”だったという。

新旧の技術が混ざり合い、温もりが伝わる新しいCGの世界を生み出した『リトルプリンス 星の王子さまと私』。フランス人のサン=テグジュペリがアメリカで出版した原作を、フランスに移住したアメリカ人監督が描くというのも、なんだか運命的。今月22日には、フランスで開催中の『カンヌ国際映画祭』でもワールドプレミア上映される。

取材・写真・文/hime

映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』

015年11月公開(2D/3D)
監督:マーク・オズボーン
出演(日本語版・声):鈴木梨央、津川雅彦、瀬戸朝香、ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画

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