柚希礼音「高い壁に挑戦したい!」

2015.6.19 18:28

元宝塚歌劇団星組トップスターの柚希礼音

(写真2枚)

ワールドプレミア ミュージカル『プリンス・オブ・ブロードウェイ』の製作発表記者会見が開催され、報道陣約200人の熱気に包まれた。会見にはハロルド・プリンス、共同演出・振付のスーザン・ストローマン、唯一の日本人キャストである元宝塚歌劇団星組トップスターの柚希礼音らが出席。

『ウエスト・サイド・ストーリー』『オペラ座の怪人』など数々の傑作ミュージカルを手掛けた巨匠ハロルド・プリンスの人生を、珠玉の名場面と共に綴る世界初演作。ハロルドは自ら関わった60年にわたるブロードウェイの変遷を語りながら、「この”財産”を皆さんと分かち合いたい」と、新たに再構築する名場面に思いを馳せる。

彼の声は、27年前の『オペラ座の怪人』日本初演で主役のファントムを演じた市村正親が担当。サプライズ的に登場した市村は、「彼の作品を10本ほどやっている日本人俳優は僕ぐらい! プリンスの才能を劇場で伝えられたら」と話す。ハロルドも「イチとは本当に長い付き合いで、彼以外に考えられなかった! 恐るべき賢さと感性の持ち主」と讃え、信頼関係の強さを見せた。

またこの日一番の注目が、5月10日の宝塚退団後初めて公の場に姿を見せた柚希礼音。「ハイヒールは買いましたが、まだ一度も履いてません(笑)」とパンツスタイルで颯爽と現れた。「全ての舞台人が憧れるハロルドさんとご一緒でき、スーザンさんの振付を直に受けられるなんて本当に恵まれていると思います」。本作ではブロードウェイに憧れてやって来るレオンという役で登場。スーザンは「類稀なパフォーマー」と彼女に惚れ込み、「ニューヨークでは最初に二人きりで稽古をして、彼女に参加してもらいながら振付を考えていきます」と。「スーザンさんの新しい振付でたくさん踊らせて頂くのが楽しみです」(柚希)。

ハロルドも「彼女はダンサーとしても素晴らしいし、歌も素晴らしい。ブロードウェイの次の日本人のスターはレオンさん」と太鼓判。劇中ではレオン役以外にも、『くたばれ!ヤンキース』『蜘蛛女のキス』などのシーンで劇中の人物も演じるという。さらに『太平洋序曲』の水夫のシーンではスボンの衣裳も。「男役みたいな感じだそう(照れ)。でも周りの方は本物の男性だし、男役に見えなかったらどうしよう」という柚希の言葉に、「大丈夫、安心して!」とハロルドは優しく笑う。

ワールドプレミア ミュージカル「プリンス・オブ・ブロードウェイ」の製作発表記者会見
ワールドプレミア ミュージカル「プリンス・オブ・ブロードウェイ」の製作発表記者会見

日本公演が成功すればブロードウェイ公演も夢ではない。9月からの稽古に向け、柚希は7月に単身ニューヨークへ乗り込み英語やダンス、歌を磨く。「宝塚時代よりも高い壁ですが、思いきり挑戦しようと決めました」。その壁の向こうに何が待っているのか、想像を超えた景色が広がるはずだ。

取材・文・写真/小野寺亜紀

ワールドプレミア ミュージカル「プリンス・オブ・ブロードウェイ」

日程:2015年11月28日(土)~12月10日(木)
会場:梅田芸術劇場メインホール
料金:SS席17,000円、S席14,000円、A席10,000円、B席7,000円
電話:06-6377-3800
※7月25日発売開始

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