本拠地ならではの宝塚”ベルばら”展

2015.9.15 13:14

衣装は一着一着手仕事で作られる

(写真6枚)

宝塚歌劇創立100周年となる2014年にオープンした「宝塚歌劇の殿堂」(宝塚大劇場内)で、12月14日まで「ベルサイユのばら展」が開催中。1974年の初演より再演を重ね、観客動員数500万人を超える人気作『ベルサイユのばら』の魅力を伝える企画展だ。

まず目に飛び込んでくるのは煌びやかな衣装の展示。オスカルやアンドレを象徴する軍服、和央ようかや花總まりが宙組公演で着用したフェルゼンの宮廷服、アントワネットの豪華なドレスなど。一着一着手仕事で作られる宝塚歌劇の衣装は、間近で見ると細かな装飾や上質な素材にも感心する。ショーケースの中には8月の台湾公演帰りのシュテファン人形も。劇中のマリー・アントワネットゆかりの人形で、最後はフェルゼンの手にわたる重要な小道具だ。初演の人形のデザイン画が、今とは異なる鮮やかなピンク色のジャケットで驚く(実物の衣裳の色は変更されたそう)。

宝塚版"ベルばら"の脚本・演出を手掛けてきた植田紳爾さんによる直筆台本
宝塚版”ベルばら”の脚本・演出を手掛けてきた植田紳爾さんによる直筆台本

ほかにも宝塚版”ベルばら”の脚本・演出を手掛けてきた植田紳爾さんによる直筆台本、初演時の楽譜や衣装デザイン画など貴重な品々が展示。1975年花組公演の稽古場で撮影された集合写真は、「オリジナルスタッフも全員揃っている”奇跡の一枚”」と、宝塚歌劇の殿堂・スタッフの森照実さん。このメンバーの誰一人が欠けても実現しなかった当時の成功。大階段を巧みに使った断頭台からフィナーレへの鮮やかな演出プラン、心に響く名曲の旋律、すべて初演時に出来上がっていたということが、偉大なベルばら伝説そのものだ。

歴代の『ベルサイユのばら』大劇場公演のポスター&舞台写真一覧パネルや、主な配役のスチール写真ブックからは、鬘やメイクからも時代の移り変わりが分かるのも面白い。原作と比較した各場面の紹介パネルは劇画ファンも興味深いのでは。歴代公演の名場面特集映像は約25分あり、スターの名演技オイシイところどりで、パレードまで見応えたっぷりだ。

また隣の「現在の宝塚歌劇ゾーン」では、星組公演『ガイズ&ドールズ』公演中は前星組公演『黒豹の如く』『Dear DIAMOND!!-101カラットの永遠の輝き-』の衣装や小道具を展示。大階段をイメージしたセットを背景に記念撮影ができる人気コーナーでは、前星組トップコンビ、柚希礼音と夢咲ねねが実際にショーのパレードで使ったシャンシャン(この時は羽根)を持って撮影できる。裏にはちゃんと2人の名前も。どこまでも夢を運ぶ、粋な計らいに感服!

取材・文/小野寺亜紀

宝塚歌劇の殿堂 第5回企画展「ベルサイユのばら展」

日時:2015年8月21日(金)~12月14日(月)・宝塚大劇場休園日は休
会場:宝塚歌劇の殿堂(宝塚大劇場内)
営業:宝塚大劇場1回公演時 10:00~17:00 宝塚大劇場2回公演時 9:30~17:00
料金:500円 ※小学生から有料
電話:0570-00-5100(宝塚歌劇インフォメーションセンター 10:00~17:00/水曜定休)

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