内野聖陽「若い人に残したい映画」

2015.10.29 18:00

左から、忽那汐里、内野聖陽、田中光敏監督(29日・大阪市内)

(写真3枚)

1890年の和歌山沖での「エルトゥールル号遭難事件」と、1985年の「テヘラン邦人救出劇」。2つの実話を題材に、日本・トルコの合作で映画化された『海難1890』。その記者会見が大阪市内で29日におこなわれ、主演の内野聖陽、忽那汐里、田中光敏監督が出席した。

「エルトゥールル号遭難事件」とは、1890年に和歌山県樫野崎(現:串本町)で起こった、当時としては世界最大規模の海難事故。海に投げ出されたトルコ人船員を、地元住民たちが総出で救出活動をおこない、両国の友好関係の礎となった出来事だ。

主演の内野は「事故について、僕はNHKの番組で見て知っていたんですが、あまり日本人の方には知られていない。番組を見て、こんないい話が日本にあるんだと考えていた矢先、オファーをいただいて。この映画は後々も見ていただけるし、若い人たちにも残したい話だなと、監督にぜひやらせてくださいと」と、出演への熱い想いを語った。

主演の内野聖陽
主演の内野聖陽(29日・大阪市内)

そして、「トルコの教科書には、エルトゥールル号事故が載っていて、ほとんどのトルコの方は知っているんですね。僕は汐里ちゃんと違ってトルコには行けなくて。(トルコ人俳優の)ケナン・エジェくんと忽那さんは生まれ変わって2役やっているのに・・・なぜ僕は生まれ変わらなかったんだろうと(笑)。トルコに行きたい想いがますます強くなりましたね」とコメントした。

エルトゥールル号編で失声症の女性を、テヘラン救出編で日本人学校の教師、2役を演じた忽那汐里は、「私はトルコに1週間行ったんですが、街並みはキレイですし、食事はとにかくおいしい。イスタンブールは橋を渡ればヨーロッパ、反対側はアジアと、いろんな文化が交じっているので、ホントに魅力的な国でした」と語ると、田中監督が「汐里ちゃんはイスタンブールではとてもゴキゲンでした。趣味のレコードがトルコにはたくさんありまして・・・」とポロリ。忽那は「東京ではすごく高いのに、こんな安い値段であると30〜40枚買ってしまって(笑)」と笑顔を見せた。

1人2役を演じた忽那汐里
1人2役を演じた忽那汐里(29日・大阪市内)

それに対し、内野は「当時、世界情勢が非常に一変していまして。トルコで撮影ができるのか、非常にヤキモキと日本で待っていたんですが、レコード探しですか?」と冗談交じりに嘆き節。忽那、田中監督ともに「すいません」と平謝りした。

会見の最後、田中監督は「125年前の、和歌山の方たちの善意が、今も日本とトルコの友情に繋がっていること、こうやって合作映画を作れたこと。日本人として誇りに思いますし、感謝しています。今回、和歌山でトルコの俳優たちが道に迷ったとき、”あんたたち、映画の俳優さんだね?”と街の人が車に乗せて、ホテルまで送ってくれた。そんなことが多々、ありました」と感慨深く語った映画『海難1890』。12月5日から全国の劇場にて公開される。

映画『海難1890』

2015年12月5日(土)公開
監督:田中光敏
出演:内野聖陽、ケナン・エジェ、忽那汐里、アリジャン・ユジェソイ、ほか
配給:東映

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