劇団子供鉅人を導く、主宰・益山貴司

2015.11.17 10:00
(写真4枚)

2005年に地元大阪で活動を始め、戦前のサーカスや見世物小屋を思わせる、飛びっきりにぎやかな世界観で人気を集める劇団子供鉅人。表現の場を選ばず、劇場、カフェ、ギャラリー、観光用水上バスなどで上演。2007年には、フランス、ベルギー国内を中心にツアーを敢し、ここでも小劇場、映画館、クラブ、倉庫など様々な場所で公演し好評を得る。そして2014年夏、ついに東京進出を果たした彼らは、今年結成10周年を迎えた。年初から記念公演『愛の不毛と救済三部作』と題したシリーズ2作を上演、また初の台湾公演も行った。10年分の総決算となる三部作最終公演に先立ち、脚本・演出を手掛ける主宰の益山貴司に話を聞いた。

「劇場でやることが一番スリリング」(益山)

──益山さんが、劇団を始めたきっかけって何だったんですか?

高校2年の時に演劇部で脚本を探していて、クラスメートの子から書いてみない?って誘われたのが最初で、そのまま役者も演出も・・・。役者と乞食は三日やったらやめられないコースにはまってしまい、そこからずっとですね。

──劇団を東京に移して一年経ちましたが、何か変わりましたか?

“大阪の劇団”という冠がなくなって、東京の劇団とフラットになって、リスタートした感じですよね。その分成長しなくてはという意識をより自覚してます。先日、(ともに関西を拠点に活動する劇団)突撃金魚と悪い芝居をやられた音響の児島塁さんにうちも初めてお願いしたんですけど。『この3つが頑張らんとあきませんよね』って話をしたら、『あ、それほかの人もみんな言ってたで』って。悪い芝居の山崎(彬)くんも突撃金魚のサリng(ROCK)も、みんな自覚ある。ここが頑張らんとあかんよねって

舞台『逐電100W・ロード100Mile(ヴァージン)』より
舞台『逐電100W・ロード100Mile(ヴァージン)』より

──東京へ行って最初の舞台が『逐電100W・ロード100Mile(ヴァージン)』。シェイクスピアの『マクベス』をベースにしたオリジナル戯曲ですが、正方形のスペースに必要最低限の小道具と電球の灯りで演出され、演劇の原点を見せつけられたように感じました。

あ、それは本当にうれしいですね。先日、台湾で再演しましたが反応良かったですよ。初日が開けるまでは緊張したんですけど、笑いもいっぱいいただいて。なかでも台本が良かったって言ってくれた人が結構いたのがうれしかったですね。詩を見てるようだったとか、言葉が素晴らしいとか・・・、海外でそこを言われたのは本当にうれしかった。やってよかったなと、受け入れられたなと。

劇団子供鉅人

profile
益山貴司(ますやま・たかし)
1982年生まれ、大阪出身。劇作家、演出家、俳優、劇団子供鉅人代表。自分が観たいものを作りたいと、高校演劇部で指導していた生徒や店の客、弟たちと2005年に子供鉅人を結成。自分の店[BAR ポコペン](2012年閉店)では、演劇公演やライブ、エキシビジョン等を行っていた。2014年から東京進出。NODA・MAPの作品にも出演するなど多方面で活躍する。

劇団子供鉅人

『重力の光』
父親が降臨してきた天使に乱暴をし、その結果生まれた「光」。両性具有の彼(彼女?)は、今も各地で子どもを作り続けている父親を探す旅に出るが・・・。益山が「どうしてもブラックユーモアもぶちまけると思うんですけど・・・」というハチャメチャさに今回も期待しよう。

日程:2015年12月3日(木)~7日(月) ※時間は日程により異なる
会場:近鉄アート館

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