蘭寿とむ、西宮で歌披露「ただいま!」

2015.11.15 16:14

出身地・西宮でライブを行った蘭寿とむ(14日・西宮市)

(写真3枚)

元宝塚歌劇団花組トップスターの蘭寿とむが、待望のファーストアルバムをリリース。その発売を記念して、11月14日に地元でもある兵庫「阪急西宮ガーデンズ」でミニライブと握手会をおこなった。

ステージを取り囲むように集まったファンは約600人。途中から雨が降ってくるなかでも、蘭寿に手を振り声援を送る。兵庫・西宮市出身の蘭寿は、「西宮に戻ってきました! 今日も実家に寄ってから来ましたが、こんなに近い場所で歌わせていただけるなんてとても嬉しいです」と、喜びを隠せない。まずは平井堅の『POP STAR』を軽やかに聴かせる。

オリジナル5曲、カバー7曲の全12曲を収録した『L’Ange(ランジュ)』は、天使というタイトル通り、男役の歌声とはひと味もふた味も違うナチュラルなボーカルが心地いい作品に。ミニライブのMCでは、元宝塚男役トップ10名によるJポップカバーアルバム『麗人-REIJIN-』が、今回のファーストアルバムを発売するきっかけになったことを明かした。

イベントに参加するため、朝4時から待っていた人も! 
イベントに参加するため、朝4時から待っていた人も(14日・西宮市)

「私が歌った坂本九さんの『心の瞳』を聴いてくださった音楽関係者の方が、『あなたの声は人の心にとてもスーっと入ってくる。ぜひアルバムを出してみないか』と言ってくださり、『それは光栄です。ぜひチャレンジさせてください』とお答えしました」。元男役トップがメジャーレーベルからCDをリリースするのは、安蘭けい以来5年ぶりだという。蘭寿自ら申し出て作詞にトライした2曲には、Every Little Thingの『fragile』を作曲した菊池一仁や、AKB48『桜の栞』などを手掛けるヒットメーカー上杉洋史が参加。そのうちの1曲の『会えない時間』を、ライブでも披露した。

「私から『会えない時間』はラブソングにしたいです、と最初にお伝えしました。そして私がラブストーリーである歌詞を、菊池さんが曲を、と別々に作ったのですが、なんと曲と歌詞がぴったり合ったんですよ! こんなことなかなかないのではと驚きました。大好きな曲です」。別々に歩んできた2人が最後は結ばれる清々しいラブソング。とても気持ちよさそうに歌う蘭寿からは、等身大の女性としての輝きが溢れんばかり。1年半前までは、宝塚随一の男役ダンサー・蘭寿とむだったとは思えないほど!

セルフプロデュースしたアルバムは、「なんと発売の日にオリコンで19位にランクインし、そこからも伸びていると伺い、『ヤッター!』と嬉しくて(笑)。みなさん聴いて下さっているんだと思うと本当に嬉しいです」。最後はシェネルのカバー曲「君に贈る歌」をしっとりと歌い、「みなさん風邪をひかないでね」と雨の中集まったファンのことを最後まで気遣っていた。

取材・文/小野寺亜紀

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