物体を通して問う「彫刻とは何か」

2015.12.2 18:00

乃村 拓郎《hai》 欅、胡粉 8.5×16.0×11.5cm 2015年

(写真1枚)

小吹隆文撰・週末おでかけアート02>「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ!

『Konohana’s Eye ♯10 乃村拓郎「On」』

木、金属、ガラス、石など多様な素材・表現法を用いて「彫刻とは何か」を追求している乃村拓郎。大阪・此花区のギャラリーで開催中の新作展では、石とその写真(石を撮影した画像数十枚を組み合わせて拡大プリントもの)を並置した作品や、木材をほとんど加工せず台座に据えた作品、置物のようなたたずまいを見せる木製オブジェなどを出品。

その背景にあるのは、ものの存在や彫刻と工芸の境界に対する問いかけであり、それらを通して彫刻の領域を探ろうとする意志である。単純に色や形を見て楽しむ作品ではないが、実物を見て作家の意図を理解すればきっと真価が伝わるだろう。本展は、近年の彼の仕事を総体的に捉える機会として重要と言える。

文/小吹隆文

『Konohana's Eye ♯10 乃村拓郎「On」』

期間:11月13日(金)〜12月27日(日) 
時間:木・金曜15:00〜21:00、土・日曜12:00〜19:00 ※月・火・水曜休
会場:the three konohana(大阪市此花区梅香1-23-23 2F)
料金:無料
TEL:06-7502-4115

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