小吹隆文の週末アート、1/6〜
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《Living with nature》 2009年 カンヴァスに油彩 176×232cm
「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、若手作家の作品と、知られざる近代の写真、陶芸を堪能してください。
神戸発・モダニズム写真の精華
『モダニズムへの道程ー写真雑誌「白陽」に見る構成ー』@ギャラリーTANTO TEMPO
神戸で写真館を営み、写真家として活動していた淵上白陽(1889〜1960)が、大正期に発刊していた芸術写真雑誌『白陽』。刊行期間は1922年から26年の5年間で、増刊号も含めて43号が確認されています。
当初はピクトリアリズム(絵画的な質感を目指した情緒性が豊かな写真表現)を志向していましたが、1923年の関東大震災以後は、被写体を画面上で幾何学的に構成する「構成派」と呼ばれるモダニズム表現へと移行しました。精緻なコロタイプ刷りの図版はオリジナルプリントとして海外でも認知されており、日本のコロタイプ技術の高さを今に伝えています。本展では、『白陽』が構成派に転じた時代のオリジナルのコロタイプ作品約20点が見られます。 ※1/16(土)16:00〜、写真史家・金子隆一氏によるトークあり。参加費1000円
1月9日(土)〜31日(日)
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注目の若手画家が神戸で個展
『中山明日香展』@ギャラリーヤマキファインアート
2012年に京都市立芸術大学大学院を修了し、現在は兵庫県を拠点に活動する中山明日香。彼女の作品は、家具を配した室内と草木が茂る庭先が混然一体となった情景を描いたものです。
具象絵画ながら、独特の色遣いと入り組んだ空間表現を持ち、見る者を現実と非現実の狭間へと導きます。本人は「自然と人間の関係性そのものが相互に共存と支配の入り交じったものである」と述べており、室内と庭の組み合わせはまさに作品のテーマを体現したものと言えるでしょう。昨年には西脇市岡之山美術館で個展を開催し、美術館での個展開催というステップアップを果たした中山。その経験を携えて行われる本展では、彼女の近作絵画が多数出品されます。
1月9日(土)〜2月13日(土)
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戦争の現実としっかり向き合おう
『シリア・失われた故郷ー鈴木雄介写真展ー』@ARTZONE
2011年から続く中東・シリアの内戦。政府軍と反体制派の衝突から始まった騒乱は、ISISやクルド人勢力の台頭、イスラム教の宗教対立も巻き込んで、泥沼の様相を呈し ています。2人の日本人がISISに誘拐・殺害される事件が起き、大量の難民がヨーロッパに押し寄せているのは記憶に新しいところ。
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そうした状況を取材する写真家・鈴木雄介(1984〜)の個展が京都で行われます。作品は、2013年にシリアの戦闘地帯で撮影した、破壊された街、戦う兵士、市民と、2015年にレスボス島で難民を撮影した最新作。日本では昨年に安全保障関連法案が成立しました。戦争のリアリティーが否応なく変化しつつある今こそ、自分の意思を問い直す必要があるでしょう。
1月9日(土)〜24日(日)
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知る人ぞ知る近代陶芸の名品
『細密美! 明治のやきもの〜幻の京薩摩〜』@美術館「えき」KYOTO
かつて京都で生産されていた「京薩摩」。このやきものは鹿児島で作られた薩摩焼の流れを汲むもので、明治政府の輸出用製品の花形でした。
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東京、横浜、大阪、神戸でも薩摩焼の様式を取り入れたやきものが盛んに作られましたが、とりわけ京都・三条粟田口の窯で作られた京薩摩は評価が高く、一時は本薩摩の生産量を超えるほど製造され、繊細かつ優美な美しさで国内外の人々を魅了したのです。本展では、京都の清水三年坂美術館が所蔵する薩摩焼の名品を紹介。本薩摩や様々な地域で作られた薩摩焼とともに、独自の様式を展開した京薩摩の魅力に迫ります。数十年間しか生産されなかった幻のやきものが持つ、絢爛豪華な美と技の世界を堪能しましょう。
1月2日(土)〜31日(日)
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