科学技術と融合、大阪でアート展

2016.2.1 15:28

作品「Cloud」と、解説するクリスティーナ・キュビッシュ

(写真4枚)

「ナレッジキャピタル」で行われている「FREE SOUND 解き放たれるオト展」は、オーストリア・リンツ市の世界的なクリエイティブ・文化機関「アルスエレクトロニカ」とのコラボレーション企画です。今までに、「言語」や「生命化学」、「シンプルな秩序」に「ロボットらしさ」などユニークなテーマで展示を開催。第5弾に当たる今回は、「音」を題材にした表現活動で評価の高い2人のアーティストを紹介しています。

ドイツを代表するサウンド・アーティスト、クリスティーナ・キュビッシュ。彼女は、約800メートルのケーブルをグルグル巻いて雲のように成形した作品「Cloud」を出品しています。ケーブルには、データ処理センター、オフィス、空港など8カ所で記録した電磁場が流れており、特殊なヘッドホンを装着すると電磁場を聞く体験ができます。我々の世界には目に見えるもの以外にも様々な情報・情景があることを教えてくれる作品です。

和田永「時折織成-落下する記憶」
和田永「時折織成-落下する記憶」

一方、日本の若手、和田永の作品は、オープンリールのテープデッキを駆使した「時折織成ー落下する記憶」です。本作では、約25分間かけてテープが重低音を放ちながらゆっくりと降下し、折り重なって美しい曲線を形成します。そしてテープが降り切った途端、デッキが急激に逆回転を始め、少々不安定なテンポで「美しき青きドナウ」を奏でるのです。音の視覚化と、音楽が発生する瞬間の驚きや喜びを味わってください。

和田永「時折織成-落下する記憶」より、下降し折り重なったテープが見せる曲線美
和田永「時折織成-落下する記憶」より、下降し折り重なったテープが見せる曲線美

 

※和田永作品の展示は日時限定。公式サイトで確認を

写真・文/小吹隆文(美術ライター)

『FREE SOUND 解き放たれるオト展』

期間:1月28日(木)〜4月10日(日) 10:00~21:00 ※会期中無休
会場:ナレッジキャピタル「The Lab. みんなで世界一研究所」2F
料金:無料
電話:06-6372-6427

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本