日本人初の大賞 中川泰通が大阪で個展

2016.2.20 12:00

『フローレンスビエンナーレ』授賞式の模様

(写真3枚)

イタリア・フィレンツェで開催される美術展『フローレンスビエンナーレ2015』。そのテキスタイルアート部門で日本人初のゴールドに輝いた中川泰通(大阪市在住)の個展が、3月22日から大阪市中央区谷町の2会場(カフェ・ボーチカ、薬業年金会館会場)で開催される。

かつてレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなどが誕生したルネッサンス発祥の地・フィレンツェを会場としたこのコンクール。今回は世界65カ国、462名のアーティスト、作品総数は約1500点。そのなかでも一際、世界の人々の心を動かしたのが中川の作品だ。

彼の作品はすべて自己流で編み出したもの。木製の土台に布を張り巡らせて彩色していくもので色鮮やかで細かな装飾は「細胞」と「生命」のエネルギーが表現されている。これまで30年以上、国内のいろいろなコンクールに出品したが目立った功績は無かった。しかし今回、日本人としても、中川自身にとっても初の大賞。それも、満場一致で決まったというから驚きだ。

大賞に輝いた作品『TORA』(奥左)の前で、團名保紀・群馬大学名誉教授(左)と記念撮影
大賞に輝いた作品『TORA』(奥左)の前で、團名保紀・群馬大学名誉教授(左)と記念撮影

日本人で初めて審査員を務めた團名保紀さんは、「立体的な動物のカタチが個性的でみごと。不可思議な生命体が突如、現代世界に出現し安らぎ、懐かしさを想わせる神的存在。健康的なさわやかな癒やし、平和の充実感を与えてくれるのが中川芸術の神髄」と高く評価する。

コンクール開催中、日本をアピールするため紋付き袴姿で自身のブースに立っていた中川は、「海外の観客は素直。興味のある作品だけは立ち止まって写真やサインを求めてくる。世界に対する自分の作品に大きな手応えを感じられた。想定外の受賞で、天にも昇るような気持ち。個展ではもっとすごい作品を展示したい」と、次なる創作へも意欲を見せる。 時代の先を行く現代アートとして世界に認められた中川。彼のエネルギッシュな作品をぜひ近くで感じ取ってみて。

作品展ではカフェ・ボーチカは20展、薬業年金会館では小さなものから巨大な物まで40点近くを展示
作品展ではカフェ・ボーチカは20展、薬業年金会館では小さなものから巨大な物まで40点近くを展示

取材・文・写真/岡田由佳子

『イタリアフローレンスビエンナーレコンクール展大賞記念展』

期間:2016年3月22日(火)~5月6日(金) ※月曜休
時間:11:30〜15:00、17:00〜23:00(土日祝11:30〜16:00、17:00〜23:00)
会場:カフェ・ボーチカ(大阪市中央区谷町6-6-10)
電話:06-4944-4095
※4月11日には作家も来場するオープニング・パーティーあり(会費1,000円/問い合わせはkaguyaart05023@gmail.com)

『イタリアフローレンスビエンナーレコンクール展大賞記念展』

期間:2016年4月12日(火)~16日(土)
時間:10:00~20:00 ※最終日は18:00終了
会場:大阪市薬業年金会館(大阪市中央区谷町6-5-4)
電話:06-6768-4451

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