京都で狩野永徳 障壁画、特別公開

2016.2.29 13:10

狩野永徳・松栄筆 本堂障壁画(国宝)より『花鳥図』

(写真8枚)

室町時代の永禄9年(1566)に戦国大名・三好長慶の菩提寺として創建され、千利休の菩提所、三千家(表千家、裏千家、武者小路千家)の菩提所でもある「大徳寺聚光院」(京都市北区)。通常は非公開の寺院ですが、創建450年を記念して、3月1日から特別公開されます。

公開内容は、本堂(重文)、本堂内の狩野永徳・松栄筆本堂障壁画(国宝)、方丈庭園「百積庭」(名勝)、茶室の閑隠席と枡床席(共に重文)、千住博画伯筆 書院障壁画『滝』で、スタッフの誘導と解説を受けながら約40分かけて院内を巡ります。

方丈庭園「百積庭」(名勝・伝狩野永徳下絵、千利休作庭)
方丈庭園「百積庭」(名勝・伝狩野永徳下絵、千利休作庭)

その見どころは、狩野永徳・松栄が手掛けた障壁画です。本作は修復のため「京都国立博物館」に寄託されていましたが、この特別公開のため46面すべてが里帰りし、修復後初公開となります。永徳がダイナミックなタッチで描いた『琴棋書画図』や『花鳥図』、柔和な作風で知られる父・松栄の『竹虎遊猿図』などの作品を、元々それらが置かれていた場所で見られるのですから、感動もひとしおです。

千住博画伯筆 書院障壁画『滝』
千住博画伯筆 書院障壁画『滝』

また「聚光院書院」では、国際的に活躍する日本画家・千住博の大作『滝』が初公開。狩野永徳・松栄の墨絵とは対照的に、真っ青な背景と流れ落ちる滝の白で構成されており、高い精神性が感じられる作品です。室町と平成の時代を超えた絵画共演も、この特別公開の見どころと言えるでしょう。

もちろん、本堂そのものや、千利休とゆかりが深い2つの茶室である閑隠席と枡床席、狩野永徳と千利休が関与していると伝わる方丈庭園「百積庭」もたっぷり見られま す。日本文化の粋を感じたい方は、このチャンスを見逃してはいけません。

文・写真/小吹隆文(美術ライター)

『大徳寺聚光院 創建450年記念特別公開』

期間:2016年3月1日(火)〜2017年3月26日(日)※毎月27日・28日休&不定休
時間:8:45(受付開始)〜16:00(最終入場)
会場:大徳寺聚光院(京都市北区大徳寺町58)
料金:2,000円 ※小学生以下拝観不可、中学生は保護者同伴
電話:075-231-7015(京都春秋事務局/株式会社アイコム内)
※拝観は予約優先制(公式サイトの「拝観予約カレンダー」から予約を)
※時間毎に、スタッフの誘導と解説の下で拝観。1回の拝観案内の定員は15名
※拝観時間は約40分間

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