稼働率98%でも閉館、京都の小劇場
2015年11月、京都の舞台芸術を担ってきた劇場「アトリエ劇研」(京都市左京区)が2017年8月で閉館という衝撃が、関係者の間を走った。劇作家・演出家で、同劇場のディレクターを2014年から務めるあごうさとしさんに、閉館への想いを聞いた。
本劇場は、1984年に館主・波多野茂彌さんが私財を投げうって作った劇場。天井の高さがあって設備が一式そろい、サポートまでしてもらえる貴重な劇場は、若手が低リスクで利用できる場として、その後の京都舞台芸術に重要な役割を担ってきた。閉館の一報に「京都で育った多くの諸先輩方からも、惜しまれる声と館主への感謝の言葉をいただいてます」という。
実はあごうさんがディレクターに就任してから劇場では、年間プログラムと劇場支援会員制度という欧州型の劇場運営の導入や、将来有望な若手たちをバックアップする制度など、多くのチャレンジを重ねてきた。「とりわけ若いカンパニーには、複数年にわたって具体性のある計画をたてる動きがでてきています。さらに劇場での稽古や関連ワークショップなどをおこなったため、作品の精度を上げやすい環境だったと評価をいただいています」と話す。
また観客からは、「ラインアップを明確化したため、劇場で何をやっているのか分かり易くなった」とも。これらがうまく機能し、前年度よりプログラム数が増加、「リハーサル利用を含めた稼働率は98%と極めて高く、観客動員数は前年度に比べて3000人の増加」と数字にも現れている。
これらの施策もむなしく閉館するのは、館主が高齢であることもあり、本人より土地・建物売却の意向をうけたもの。あごうさんは、「今、現場にいる私たちも、波多野先生には感謝の気持ちしかなく、先生のおかげで舞台に立たせていただいていることを、深くかみしめています。このような尊い志があって、30年にも長きにわたって、私たちは育てられてきた」と感謝の意を表した。
「劇場の問題につきましては、代替施設が可能かリサーチを重ねて参ります。馬鹿げた話ではありますが、将来的にはバウハウスのような多分野のアーティスト・技術者・研究者があつまる芸術創造施設を作ることができればと夢想してます」と今後の夢をあごうさんは語った。
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