ビートたけしのアートが100点、大阪に

2016.3.17 17:08

すべての作品にタイトルはない。「たけしにとって人間はこう映る ヘンな人たち」のなかの作品

(写真8枚)

東京では「松屋銀座」で行われ、好評を博したビートたけしの『アートたけし展』が、大阪市北区の「阪急うめだギャラリー」(阪急うめだ本店9階)で開催されている。

芸人、タレントとしてテレビでの看板番組も多数、役者や映画監督もこなすビートたけしが、絵を描いていたことはご存じだっただろうか。「唯一、仕事ではない表現」だという「絵を描く」ことは、自分の内面を見つめる行為にほかならない、とコラムニストの山田五郎は指摘。あきらかに自画像と分かる版画作品に「こいつは何れだ、何んの為めに生ま」とのメッセージが描き込まれているのがまさにそうだと解説する(展覧会会場内で貸し出されるイヤホンガイドより)。

自画像は、版画で制作されている
自画像は、版画で制作されている

ビートたけしが、絵を描き始めたのは1994年。交通事故の後だったという。頭の中から湧いてくるイメージを何かに放出せざるを得ない感覚にとらわれていたのだろうか。作品はどれもアドレナリンがあふれているような、心地いい快楽に満ちている。当然、好きな対象しか描いていない。

「たけしが描きたくなるモチーフ」として紹介されている「カネとオンナとクルマ」。愛車ポルシェのリアフェイスを描きたかったために、遠近法がおかしくなっていると山田五郎が指摘
「たけしが描きたくなるモチーフ」として紹介されている「カネとオンナとクルマ」。愛車ポルシェのリアフェイスを描きたかったために、遠近法がおかしくなっていると山田五郎が指摘

ピカソやキュビズムの世界、マルセル・デュシャンのレディメイド、ジャクソン・ポロックの抽象画などに通じる作品もあるが、「技術がともなわないからへたくそなんだよね」と会場内で放映されているVTRで本人が語っている。遠近感のバランスもユニークだったりするのが、くすっと笑えて、彼の「これ、おもしろいだろ精神」が全作品を通じて感じられる。

『アートたけし展』

期間:2016年3月16日(水)〜28日(月)
時間:10:00〜20:00(金・土曜は〜21:00)
会場:阪急うめだ本店9F 阪急うめだギャラリー(大阪市北区角田町8-7)
料金:一般1000円、大・高・中生800円、小学生以下無料 ※イヤホンガイド600円
電話:06-6361-1381

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