奇妙な古代生物の化石、大阪に上陸

2016.4.21 12:00

約5億800万年前の化石は、脊椎動物の祖先に当たるピカイア

(写真6枚)

「大阪市立自然史博物館」(大阪市東住吉区)で現在開催中の展覧会『生命大躍進-脊椎動物のたどった道-』。そこで展示されている5億年以上前の化石が話題を集めている。

地球上における生命の誕生から我々人間に至るまでの脊椎動物40億年の歴史をたどる特別展。なかでも1910年にカナダのロッキー山脈にあるバージェス頁岩動物群から見つかった化石は、3億年前に恐竜が生まれたさらに2億年以上も前のカンブリア紀のもので、38点が日本初公開となる。主な動物の祖先が全て出そろったといわれる古生代カンブリア紀の様々な種類の動物を見ることができ、脊椎動物の祖先といわれるピカイアをはじめ、目を複数持つオパビニアや、トゲだらけの体をしたハルキゲニアなど奇妙な姿に目を奪われる。

当初、口はクラゲ、触手は頭のないエビだと思われていた約5億800万年前の化石。後にそれぞれが大きな動物・アノマロカリスの一部位であることがわかった
当初、口はクラゲ、触手は頭のないエビだと思われていた約5億800万年前の化石。後にそれぞれが大きな動物・アノマロカリスの一部位であることがわかった

なかでもカンブリア紀最強の捕食動物と考えられるアノマロカリスも現代に似た動物はなく、常識では想像もつかない姿。学芸課長の川端清司さんによると、「それまで別の生物と思われていた複数の化石を、1980年くらいからもう一度研究しなおした。その際に貴重な化石をスライスして解剖したことで、その姿が解明された」という。

全長2mを超える約4億年前の海の支配者・ウミサソリについて説明する学芸課長の川端さん
全長2mを超える約4億年前の海の支配者・ウミサソリについて説明する学芸課長の川端さん

展示では生命の進化において、アゴができて餌をまるごと捕食するようになったり、三半規管を獲得し3次元の感覚を得たり、海から陸へ進出することで脚や肺が生まれるなど、もとはナメクジのような生物が徐々に進化する過程を追うことができ、人の構造にもつながる新たな発見や驚きばかり。会期は6月19日まで、料金は大人1,300円、高大生800円、中学生以下は無料。

『生命大躍進-脊椎動物のたどった道-』

日程:2016年4月16日(土)~ 6月19日(日)※月曜休
時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
会場:大阪市立自然史博物館(大阪市東住吉区長居公園1-23)
料金:大人1,300円、高大生800円、中学生以下無料
電話:06-6697-6221

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