三池監督「テラフォーマーは基本、俺」
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「原作者をリスペクトする、彼らを楽しませるのが最低限やるべきこと」(三池監督)
──アニメといえば、『テラフォーマーズ』ではナレーションがシャアでした(笑)。
そう、池田秀一さん。これは伊藤英明のたっての希望だったんで(笑)。
──今回、監督は「火星で『クローズ』をやる」と宣言しておられたようですが(高橋ヒロシ原作の映画『クローズ』)。
SFとしてどうとか、そういう気取ったものではなくて、土俵は火星だけど自分たちでできるようなことしか表現できないので。それを端的に伝えていくためには、「火星でクローズをやる」といった方が伝わりやすいかなって。

──まあ、原作と違ってオール日本人キャストだし、キャラクター的にアウトローが多いところも『クローズ』色がありますよね。伊藤英明さんはそこからは外れますが三池組常連ではあるし、実際クローズ組も山田孝之さん、小栗旬さん、渋川清彦さんと揃ってます。でも今回、結構初顔合わせの俳優さんが多いですよね。
ケイン・コスギさん、山下智久さん、菊地凜子さん、篠田麻里子さん・・・、それに小池栄子さんも初めてですね。
──小池さんはなんだか意外な気がしますねぇ。今回もかなり弾けていたし。
まぁ、僕の映画に女性の登場人物が出てくるのは、そもそも最近ですからね(笑)。以前はほとんど、女性といえば虐待される役だったり(笑)。あまり女性が意思を持って物語に関わってくるっていうのはほとんど無かったですね。
──映画『愛と誠』(2012年)の印象が激烈だったもんで、武井咲さんはいつ縛られるのかと思いましたよ。今回は、反対に自分から糸出してましたけど(笑)。うれしかったのは、加藤雅也さんが艦長役で出演していたことです。
久しぶりにね。ものすごく久しぶりで。
──監督の作品はほとんど拝見してますが、僕は加藤さん主演の『荒ぶる魂たち』(2002年)がとりわけ大好きなんです。
なんでやってなかったんだろう・・・。理由はないんですよ。たまたま加藤雅也に期待する、加藤雅也的な役っていうのが無かっただけで。今回はなんかね、堅苦しくなくていいんじゃないかな、って。彼もその間に結婚もして、子どももできて、現場にもちらほら連れて遊びに来るんですよ。今回、できあがった映画を観て、加藤雅也が「これは子どもに見せられるな」って、5歳の女の子に(笑)。子どもさんはびっくりするかも判らないけど、お父さんが「蟻」になって強くなるってところを見せたいな、っていう。
──確かにこの作品、5歳でも大丈夫かも知れません。やっぱり(配給の)ワーナー・ブラザース色というか、これを他社で撮っていたら、三池さんのことだから残酷度とかだいぶ違っていただろうなと思ったんですが。
確かに。ただ、ワーナー的にもあまり締めつけようとするなら、俺を使わないですよ。面白ければいい、ということなんじゃないかな。でもゲームとかもそうですけど、人体が破壊されるというのに一番敏感なんです。例えば銃で撃たれて耳が飛ぶ、っていうのをワンカットで見せると「R15+」になっちゃうんですよ。血が飛ぶと「R18+」みたいな。

──今回、脚本が中島かずきさんですが、監督とは初めての顔合わせですよね。それに今回は、原作の第1巻に絞って映画化されてます。原作から改変した部分も含め、ストーリーはどのようにして作られたんですか?
早い段階で決めたのが、「やはり1巻だけでやるべき」っていうことでした。でも、俺が参加したときには、すでに叩き台的な台本はできてたんです。基本的には原作者が自分の思うように描いたように、脚本家が思うようにアレンジすべきだと思うんですよ。意見を求められれば口を出しますけれど、僕もプロデューサーから「こうしてくれ」とか言われたらあまり楽しいものではないので。みんなで解り合える点、妥協点を探っていくというのがイマドキの脚本の作り方なんじゃないかな。僕は現場で監督をする上で、壊していくか増長させていくか、っていう作業をしていけばいい。ただ印象としては、そんなに難航した記憶は無いですね。あくまでも出発点であって守るべきものは原作だ、っていう。
──でも三池監督の原作ものは、原典からどれだけ逸脱していようが原作者からそれほど反発されないんじゃないですか? ただむやみに壊すんじゃなくて、常に原作に対するリスペクトが感じられますから。
いくらヒットしても、やっぱり原作者にガッカリされたら悲しいですからね。命削るようにして生み出したものなのに、(映画の)現場には関われない。劇場で観たときに「ああ、面白かった」って思ってもらえるかどうか。それを生み出した原作者をリスペクトする、彼らを楽しませる、それは最低限やるべきことなんだろうな、とは思います。原作者(貴家悠&橘賢一)は2人とも若いけど、充分に漫画業界で揉まれている大人なんで、非常に楽しんでくれました。「間違いなく『テラフォーマーズ』だ!」って。全員日本人だったり変わっている点は多いんですが、ただ、「根っこにあるものは間違いない、これがテラフォーマーズですよ」と。
三池崇史(みいけ・たかし)
1960年生まれ、大阪府八尾市出身。1991年、Vシネマ『突風!ミニパト隊』で監督デビュー。以降、コメディからホラーまで、幅広いジャンルで映画を撮り続ける。1年間に数本の映画を監督する多作で知られる一方、1998年の『TIME』誌にて「これから活躍が期待される非英語圏の監督」に、ジョン・ウーとともに10位に選出されるなど、海外からの注目度も高い。2015年に公開された映画『極道大戦争』では、『第6回オアハカ映画祭』で最優秀監督賞を受賞した。
2016年4月29日(祝・金)公開
監督:三池崇史
出演:伊藤英明、武井咲、山下智久、山田孝之、小栗旬ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
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