大阪城の櫓内部特別公開、延長へ

2016.4.10 07:00

徳川幕府大阪城再築工事元年、1620年(元和6年)に作られた千貫櫓。瓦の装飾も立派だ

(写真4枚)

日本の城の最高峰、大阪城の櫓(やぐら)重要文化財内部特別公開が当初予定(6月5日)に加え、夏期、秋期と延長することが発表された。

世界各国から多い日は1,000人以上訪れるという櫓内部は今も、大阪攻めへの臨戦に万全の構造。公開されているのは大手口多聞櫓(おおてぐちたもんやぐら)、千貫櫓(せんがんやぐら)、焔硝蔵(えんしょうぐら)の3つで、続櫓(つづきやぐら)から入ると、堀側は銃眼を備えた「武者走り」という廊下。そこを通りぬけた大手口多聞櫓は最も大きい櫓で床の底を窓のように開いて「槍落とし」ができる。

徳川幕府時代から現存し、徳川家茂、慶喜ら名だたる歴史的人物が通った場所に自身も足を踏み入れることができるのも感慨深い。千貫櫓では実際に火縄銃をもつことができ素早く走っても滑らないよう床はうろこのように凹凸が入っているところも面白い。

高い天井は大きな梁がいくつも使われ、多くの兵士が駐屯できるようになっている
高い天井は大きな梁がいくつも使われ、多くの兵士が駐屯できるようになっている

焔硝蔵は壁、床、天井全てが石。一見、石でできたトンネルのようだが、壁の厚みが2.4mもあり、爆発をしないよう湿度や温度などにも配慮した構造。火薬に引火しないよう厳重大勢だったようだ。「随所に敵兵を迎え撃つための仕掛けや戦うための工夫が施されているところが大変面白い」と見どころを語ってくれたのは、「大阪城パークセンター」の高津英泰さん。真田丸で沸く大阪城の実際の舞台。ぜひ訪れてみてほしい。

1685年(貞享2年)に建築された、日本で唯一現存する火薬庫焔硝蔵
1685年(貞享2年)に建築された、日本で唯一現存する火薬庫焔硝蔵

取材・文・写真/岡田由佳子

『大阪城の櫓重要文化財特別公開』

期間:夏季=2016年7月16日(土)~8月28日(日)月曜休(8/15は開館)、秋季=2016年9月17日(土)~11月27日(日)の土・日・祝日限定公開
※西の丸庭園整備等により臨時休止する場合あり
時間:10:00~16:30(最終入場16:00)
料金:櫓共通券(多聞櫓・千貫櫓・焔硝蔵、3棟分の入場料)、大人(高校生以上)700円、小人(中学生以下)300円
※未就学児無料、セット券あり
電話:06-6755-4146(大阪城パークセンター)

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