世界初、歌舞伎がネットで資金調達

2016.5.17 07:00

「来年は東京公演もやりたい」と意欲を見せる松原プロデューサー

(写真3枚)

上方歌舞伎を盛り上げるため設立された松竹・上方歌舞伎塾の1期生3人により結成された『晴の会(そらのかい)』が、昨年に引き続き「近鉄アート館」(大阪市阿倍野区)で公演を上演する。この公演では、歌舞伎としては前代未聞のクラウドファンディングに挑戦するという。

初公演となった昨年、公演としては成功したものの「残念ながら赤字だった」とプロデューサーの松原利巳さんは打ち明ける。「継続するために、自立して公演が成立するシステムを」と4月20日からネット上で不特定多数から資金調達するクラウドファンディングを導入した。支援金は1口1万〜5万円で、その特典は公開リハーサルの観覧や出演者との交流会への参加など、金額に応じて様々だ。5月9日の時点で、すでに当初の目標である100万円をクリアしたというが、「まだまだご支援いただきたい」と7月19日までの応募に期待をかける。

左から出演者の片岡千次郎、片岡松十郎、片岡千壽
左から出演者の片岡千次郎、片岡松十郎、片岡千壽

本公演は、上方落語の名作「伊勢参宮神乃賑」(通称:東の旅)を題材に書き下ろした新作。大阪から伊勢参りへ向かう2人の旅人が、道中に出会う狐に何度も化かされる喜劇だ。出演する片岡松十郎は、この作品は、「親しみやすくて、おもしろい内容なので、(上方歌舞伎を)身近に感じてもらえるのでは」と話す。7月29日〜8月1日に全6公演行われ、前売は6,000円、高校生以下は1,000円。チケットは6月5日より各プレイガイドで発売される。

『第二回 あべの歌舞伎 晴の会』

上方落語『東の旅』より城井十風作 新作上方歌舞伎『伊勢参宮神乃賑』旅立ち〜七度狐
監修:片岡秀太郎
演出:山村友五郎
出演:片岡松十郎、片岡千壽、片岡千次郎、ほか

日程:2016年7月29日(金)〜8月1日(月)
※時間は日により異なる
会場:近鉄アート館(あべのハルカス近鉄本店ウイング館8F)
料金:前売6,000円、当日6,500円、高校生以下1,000円(全席指定、3歳以下入場不可)
電話:0570-023-300(近鉄アート館チケットセンター 10:00〜18:00)

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本