蜷川幸雄も愛した劇場、閉館に惜しむ声

11年の間に、蜷川幸雄をはじめ、野田秀樹、劇団☆新感線など、554公演が行われ、のべ200万人を動員
今月末で11年の歴史に幕を閉じる劇場「シアターBRAVA!」(大阪市中央区)。関係者を対象にした感謝の集いが5月24日に行われ、劇場と縁の深いアーティストや関西のほかの劇場からもスタッフが集まり、別れを惜しんだ。
劇団四季の関西の拠点だった「大阪MBS劇場」を再利用する形で、2005年にオープンした本劇場。舞台と客席が近い構造なので作り手&観客ともに贔屓にする人が多く、先日亡くなった演出家・蜷川幸雄さんも「俺はBRAVA!がいいんだ」と気に入っていたという。
この日は、11年前のこけら落としライブに出演した倭太鼓飛龍、サキタハヂメ(当時は「はじめにきよし」で参加)、押尾コータローが、劇場最後の音楽ライブを実施。また、『ラ・マンチャの男』や『アマデウス』などでこの舞台に立った松本幸四郎からは、「劇場がなくなるのは本当に残念で寂しい限りですが、いつの日か夢を叶える心意気をもって、再びシアターBRAVA!が私どもを迎えてくれることを信じ、数々の想い出と共に別れの杯を上げたいと思います」とコメントが寄せられ、阿木燿子&宇崎竜童夫妻、大竹しのぶ、古田新太からは劇場の想い出を語るビデオメッセージが届いた。

会場には「(ギャグ満載の)ネタもの公演は必ずこの劇場で」と決めていたという劇団☆新感線のいのうえひでのりや、過去公演を4回行ったヨーロッパ企画のメンバーの姿も。いのうえは「お客さんとの距離が近くて芝居に巻き込みやすく、ネタものにはちょうどいい空間。そんな劇場が大阪から、また一つなくなってしまうのが残念です」と語った。

最後に劇場サイドから「劇場運営は場所を変えて続ける意向。現在、次の候補地を探している」というアナウンスが入り、安堵する声も。5月29日にはラストイベント『ありがとうBRAVA! MBSアナウンサー大集合!』が行われる(当日券発売予定)。
取材・文/吉永美和子
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