衝撃的すぎる怪作、誕生! 真利子監督×柳楽優弥に訊く

2016.6.4 07:00

衝撃的作品を生み出した真利子哲也監督(左)と主演の柳楽優弥

(写真7枚)

「遠かった。けど、こんなに幸せなことはない」(真利子監督)

──また、さらに向井秀徳さんの音楽が冒頭シーンから不穏な空気を煽りますからね。

真利子「4曲しか使ってないんですけれども本当に印象的で。僕が松山にいるときに脚本を読んでくれて、それで帰ってすぐに冒頭2曲を作曲してくれた。この辺のこの音で間違いないよね、っていうのは一致していて」

──『NINIFUNI』が公開された時、対談された記事を読みましたが。

真利子「あのときの呑みの席で、今回の企画が面白そうになってきたら声をかけていいですか?って訊いたら『いいですよ』って。それを忘れないで、実際に面白くなりそうになったときに声かけたんですよ。だから、約束を守ってくれたというか、詳しいことは言わなかったのに音楽やりたいと言ってくれて」

──ただギュイ~ンだけじゃなく、裏にアコースティックな音が隠れていたり。ちょっとフリー・ジャズっぽいアプローチもあって。

真利子「向井さんも挑戦してくれて、若いジャズミュージシャンと作ってくれたんです。うれしいですよ、自分の好きなミュージシャンと好きな映画を作れて」

真利子哲也監督(左)と主演の柳楽優弥
真利子哲也監督(左)と主演の柳楽優弥

──よくプロデューサー許してくれましたね(笑)。西ヶ谷さんは『NINIFUNI』でも一緒ですよね。

真利子「いや。なかなかね、遠かったですよ。これだけいい役者やスタッフを揃えるなんて、かなり難しいと思うんで。去年の10月ぐらいに作り終わったんですけど、こんなに幸せなことはないなぁと、改めてしみじみ感じたりして。インディーズのアート映画じゃなくて、一線で活躍している役者さんと、ちゃんとレベルの高い題材で映画を作りたいなと。映画が好きだからこそ、そういう映画が欲しいなと思っていたんで。観たお客さんもそう思ってくれたらうれしいです」

──本当にそうですよね。インディペンデントで自費で、こういう映画をやろうと思えばできないこともないと思うんですが、それではやっぱり役者の顔つきも能力も違うし、撮りたいものも予算の都合で違ってくるだろうし。このクオリティーを、しかもメジャーで、こういう冒険的なことをやったというのが、それだけでも特筆すべきことだと思います。

真利子「本当に希望を感じたのは、柳楽くんもそうなんですけど、こっちが真剣にこんな面白いことをやりたい、って言うと役者さんたちは乗ってくれたりするんですよね。プロデューサーにもそういう人がいて、そんな人たちを巻き込んで映画を作っていければ一番ですね」

──こんな映画作っちゃって、この後の展開はもう考えてますか?(笑)

真利子「まぁ、粛々と。終わったばかりで、真っ白なんで。企画は考えてはいますが、まだどうしようかと」

──この映画の次が原作モノの映画とかだったら、それはそれで面白いですね(笑)。

真利子「少女漫画とか? じゃあ、柳楽くんで(笑)」

柳楽「やりましょうよ、恋愛映画とかさ(爆)」

映画『ディストラクション・ベイビーズ』

2016年5月21日(土)公開
監督:真利子哲也
出演:柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎、池松壮亮、ほか
配給:東京テアトル R15+

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