びわ湖に珍獣、山下洋輔ビッグバンド

2016.6.30 11:00

「最近は、若い人から仕事をもらうようになった」と嬉しそうに話す山下

(写真3枚)

「私より年上のプレイヤーに会うのは滅多にありません」と笑って話すのは、ジャズ界の大御所・山下洋輔。今年74才を迎えた山下が率いるビッグバンドが10周年を迎え、それを記念した『スペシャル・ビッグバンド・コンサート』が7月2日、「びわ湖ホール」(滋賀県大津市)で開催される。

ひじで鍵盤を鳴らす奏法など奇抜な演奏スタイルが印象的な、世界的ジャズ・ピアニストの山下。いまだパワフルで情熱的なプレイが続けられることについて、「何十年かやってきた自分の中に蓄積されたものを、何の制限もなくその場で全部出し切ってしまおうとするのが良いのでは」と話す。

本ステージで演奏するのは、ジョージ・ガーシュインの名作「ラプソディ・イン・ブルー」。山下曰く、「半分ジャズで、半分クラシック」という今作は、彼自身これまで大阪フィルハーモニー交響楽団などオーケストラとの共演が多い。だが、自身のバンドでレコーディングも行っており、今回はビッグバンドスタイルで聴くことができる貴重な機会だ。

最近はメソッドが確立し、若手もとりあえずジャズの音は全部出せる。しかし「さて、そこからなんですね」と表現者のあるべき姿を語る
最近はメソッドが確立し、若手もとりあえずジャズの音は全部出せる。しかし「さて、そこからなんですね」と表現者のあるべき姿を語る

オーケストラとの違いについて山下は、「クラシックオケとやる場合は、僕は『乱入者』であり、完全にアウェイ、もっと言えば『珍獣』扱いです(笑)。『なんだこいつは!普通のやつと違うじゃないか!』ってね。それがジャズバンドでやると、みんなジャズや僕のことを全て知ってるわけで。一番大事な即興のソロを、ジャズマンに聴かれるわけです。その恐ろしさがすごく良い緊張感に変わって、いっそうおかしくなるんではないか」と笑顔で語る。

このほか演奏されるのは、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」のビッグバンド編曲版と、このビッグバンドのために山下が書き下ろした新曲「ノッキン・キャッツ」。チケットはS席6,000円、A席4,000円、ほか。

『山下洋輔 スペシャル・ビッグバンド・コンサート2016』

日程:2016年7月2日(土)・17:00〜
会場:びわ湖ホール(大津市打出浜15-1)
料金:S席6,000円、A席4,000円、青少年2,000円
電話:077-523-7136

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