関西小劇場で活躍、故深津氏の演劇祭

『深津篤史コレクション』1&2巻は『うちやまつり』や阪神・淡路大震災をテーマにした『カラカラ』などの戯曲が中心、3巻では彼の演劇論や人柄が垣間見えるエッセイやインタビューも
関西を代表する劇作家・演出家の一人で、2014年に46歳の若さで逝去した、劇団「桃園会」主宰の深津篤史(しげふみ)。彼の遺した作品を全3巻にまとめた『深津篤史コレクション』(松本工房刊)が、命日となる7月31日に刊行。それにあわせて9月から来年にかけて、桃園会ら11団体が『深津演劇祭』と題して彼の作品を上演する。
「演劇界の芥川賞」の異名を持ち、野田秀樹や三谷幸喜などそうそうたる劇作家が受賞している「第42回岸田國士戯曲賞」を受賞。その後、大杉漣や奥菜恵らが出演する舞台『象』の演出を手掛けるなど、関西以外でもその才能を認められながら、生涯関西の小劇場にこだわって活動を続けた深津。彼は、孤独を抱えた人々が、切ない愛から衝動的な殺人まで、様々な形で「関係」を持とうとする様を、冷徹なほど静かな視線で描き続けた。

9月から来年以降も断続的に行われる『深津演劇祭』には、関西だけでなく東海や首都圏の劇団も参加。関西の劇団「コンブリ団」のはしぐちしんが、阪神・淡路大震災をテーマにした『カラカラ』を自らのユニットで上演したり、関西以外からは日本を代表する社会派劇団「燐光群」がエロスとタナトスに満ちた名作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に挑戦するなど、深津の世界を理解しながらも、新しい光を当ててくれそうな舞台がそろっている。中でも桃園会が、深津の言葉を再構成した新作を来年2月に上演するのは、特に見逃せないだろう。各公演の詳細は公式サイトにて。
文/吉永美和子
『深津演劇祭』
公演:
コンブリ団『カラカラ』 2016年9月2日~5日(大阪・ウイングフィールド)
エイチエムピー・シアターカンパニー『壁の中の鼠』2016年10月7日~11日(京都・アトリエ劇研)
ほか
『深津篤史コレクション』
発行:松本工房
Collection I:3,240円
Collection II:3,024円
Collection III:2,700円
関連記事
あなたにオススメ
コラボPR
-
大阪から行く高知のおでかけ・グルメ2025最新版
NEW 2025.3.31 16:45 -
ホテルで贅沢に…大阪アフタヌーンティー2025年完全版
NEW 2025.3.31 13:00 -
大阪・関西万博の注目ニュースまとめ【2025年最新版】
NEW 2025.3.31 06:00 -
坂本龍馬の生家跡・ホテル南水、ラグジュアリーに改装[PR]
NEW 2025.3.30 07:00 -
万博迫る!大阪2カ所でオランダパビリオンお披露目[PR]
2025.3.29 18:30 -
ワインのような日本酒? 高知県に期待の新蔵が誕生[PR]
2025.3.29 07:00 -
華やかスイーツ!大阪のいちごビュッフェまとめ・2025年版
2025.3.28 16:00 -
大阪スイーツビュッフェ・リスト2025年版、ホテルで甘いものを満喫
2025.3.28 14:00 -
大阪でなぜ?KITTE高知ショップ、意外な売れ筋[PR]
2025.3.28 07:00 -
2025年は開業ラッシュ!大阪・梅田の新商業施設まとめ
2025.3.27 12:00 -
梅田、新施設ラッシュ! うめきたダンジョン攻略法[PR]
2025.3.26 07:00 -
華やかスイーツ!京都のいちごビュッフェまとめ・2025年版
2025.3.24 10:00 -
淡路島の観光&おでかけ&グルメスポット、2025年最新版
2025.3.19 10:30 -
梅田で体験…贅沢食材食べ放題×いちごヌン茶が合体[PR]
2025.3.17 17:00 -
スリコなど7店オープン、京阪シティモール最強説[PR]
2025.3.14 07:00 -
春の京都宇治は茶摘み、桜まつり…イベントたくさん[PR]
2025.3.10 15:00 -
華やかスイーツ!神戸のいちごビュッフェまとめ・2025年版
2025.3.7 14:00 -
今が旬!大阪難波であまおう苺のアフタヌーンティー[PR]
2025.3.6 17:00 -
万博まで待てない!神戸でサウジアラビアパビリオンを体験[PR]
2025.3.6 12:00 -
万博内2番目に大きなパビリオン!サウジが難波に[PR]
2025.3.5 17:00 -
高速料金が乗り放題でお得!ぐるっとドライブパス[PR]
2025.3.1 10:00