自主企画アイドル「野望は先に言う」

2016.8.19 07:00

生ハムと焼うどんの西井万理那(左)と東理紗(右)

(写真4枚)

事務所に属さず、高校生の自主企画ながら、結成からわずか1年で「赤坂ブリッツ」に1000人超を動員。また、朝の情報番組『めざましテレビ』では「2016年注目のアイドル」1位に選ばれるなど、じわじわと話題を集めているのが西井万理那と東理紗の2人組アイドルユニット「生ハムと焼うどん」だ。関西でもファンを着々と増やしている彼女たちの素顔に迫った。

──生ハムと焼うどんといえば、ライブでは歌よりもコントのような寸劇の方が長いことも話題のひとつとなっていますが、そのパフォーマンスはどういったきっかけで始めたんですか?

東:今、いろんなアイドルがいるなかで、ほかと一緒にはなりたくない、なんとか印象づけたい!って思って。自己紹介とかみんな聞き飽きてるだろうし、ライブとかCDの宣伝をする時間があったら、『あの子たち、何だろう』って思ってもらった方がいいなって。それで、お互い劇団に所属してたこともあって、寸劇を始めたんです。2人で台本を書いて。

西井:最初は誰も笑ってくれなくて(笑)。でも、シーンとした空気を楽しんでました。そのうち、SNSで『今の女子高生たちは何だったんだ』と言われるようになって、ちょっとずつ知られるようになって。会場がザワザワとする、空気が変わる瞬間が快感なんです。

──ライブでは、下ネタやゲスい時事ネタ、変顔をふんだんに取り入れて、客席に降りたり、ファンをステージにあげて、歌わせたり外見をいじり倒したりパンティを被らせて踊らせたり・・・ある意味アイドルらしからぬ破天荒さで、最初見たときは驚きました(笑)。

東:私たちを知らないお客さんが、後ろの方で携帯いじってたりとか、腕組んでたりしてて。これはお客さんとの境界線をなくさなきゃだめだと思って、私たちが客席に踏み込もうってなったのがきっかけ。コール&レスポンスとかがだんだん『お客さんステージに乗せてみようよ』ってヒートアップしちゃって(笑)。いじられたくない、巻き込まれたくないって目を合わないようにしてる人ほど、意地でもステージに上げる!

西井:前に大阪でライブに出たとき、今までで1番ゲスいネタをやったんですよ。アイドルってスカートの中とか見せないじゃないですか、でも私たちはファンが欲しいあまりにスカートめくったままお客さんの周りを回ったりして。そしたら東京から遠征していたファンの人は「ちょっとやりすぎだよ」ってドン引いてたんですけど、大阪の人は「最高だったよお前ら〜!良いね〜!」って、その時めっちゃファンが増えた(笑)。大阪はこれくらいゲスい方がウケるんだって思いました。

──そして生ハムと焼うどんといえば、楽曲作りからライブの衣装、ステージの脚本や演出、グッズの企画販売、ブッキングなど運営に至るすべてを自分たちで行ってますが、セルフプロデュースゆえに最近大変だったな~ということはありました?

東:やっぱり、お金のやり繰りが大変。フライヤーとかも、自分たちで作って印刷するから、1枚30円するんだよな~って思うと、1人に2~3枚バンバン配るとか絶対にしない。もったいない! すっごいケチになりますよ。だから広告費削減のために、ファンの人に宣伝Tシャツを着てもらって、歩く宣伝をしてもらったり。クラウドファンディングでワンマンライブをDVDするための資金を集めたり。

西井:今年10月にライブをする「東京ドームシティホール」(3000人規模)の費用が、今までと比にならないくらい高くて。やめようかって言っちゃったもんね。ライブの前に、費用の半分を払わないといけなかったんだけど、貯金がほぼなかったり。でもずっとそういう感じでやってきたよね、私たち。

東:そう。「赤坂ブリッツ」でライブをするときも会場も抑えてなかったし、お金も貯まってなかったけど「1000人動員する」って宣言したし。野望は先に言っちゃうタイプ(笑)。

西井:先に言ったら、やらなきゃってなるもんね。だから、野望とか夢は絶対口に出したほうがいいと思ってる!

「大阪の食いしん坊(ファンの呼び名)はゲスいネタのほうがウケる」と2人
「大阪の食いしん坊(ファンの呼び名)はゲスいネタのほうがウケる」と2人

3月に高校を卒業し、「女子高生」のJKから「常識を覆す」JKへと進化。これからどうしたいか尋ねると、「天井吹き飛ばしたい」「気球に乗って登場したい」「砂のなかにゴゴゴゴ・・・って戻っていきたい」「もはや海底でライブしたい、宇宙でもやりたい!」・・・と、今後の野望が尽きることがない彼女たち。8月27日にはヴィレッジヴァンガードの30周年イベント、10月30日には京都の音楽フェス『ボロフェスタ』への出演が決定し、関西の音楽フェスへ続々と進出。(おそらく)アウェーのなか、どんな爪痕を残すのか、今後もますます目が離せない存在だ。

生ハムと焼うどん

『30th VILLAGE VANGURD presents V.V Rocks ~MIX JUICE~』
日程:2016年8月27日(土)
会場:なんばHatch(大阪市浪速区湊町1-3-1)
料金:4,000円

生ハムと焼うどん

『ボロフェスタ 2016』
日程:2016年10月29日(土)・30日(日)
会場:京都KBSホール(京都市上京区龍前町600)
料金:1日券4,800円、2日券8,900円

生ハムと焼うどん

『サードワンマンライブ~破天荒な摩天楼~』
日程:2016年10月21日(金)・19:00〜
会場:東京ドームシティホール
料金:アリーナスタンディング4,500円、指定席4,800円
※アリーナは小学生以下は無料

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