高畑充希「朝ドラの後は絶対に舞台」

2016.11.24 08:00
(写真3枚)

「観ている人が甘酸っぱい気持ちになれるといいな」(高畑充希)

──高畑さんが演じる小学生・真鈴についてはいかがでしょう?

登場人物のなかでは感情が激しい役なので、そのバランスが難しくて。機械が突然人格を持つとか、理屈じゃない突発的なシーンが多い話だから、もっと無機質で人間っぽくなくやった方がいいかな? と最初は思ったんですけど、フィリップには「もうちょっと人間臭くていい」と言われたので。「感情担当」という感じです(笑)。

──悟と真鈴の恋愛関係は、どのように表現しようと思っていますか?

私が小学生のころって、もっと夢中になることが多くて「人を愛する」ということの優先順位が低かったと思うんです。だから2人が周りの見えない恋愛・・・特に悟が愛に溺れるというのが、私にとってはすごく不思議なんです。でもこの2人が一緒にいるのは、実は2シーンしかなくて。それが真鈴にとっては全編通して唯一のうれしいシーンのはず。だから2人が愛し合ってる・・・とまではいかなくても、好き合ってることがすごく伝わって、観ている人がちょっと甘酸っぱい気持ちになれるといいな、と思います。

──高畑さんはCMでもたびたび美声を披露しているので、歌のシーンを楽しみにしている人が多いと思います。この舞台の音楽を担当されるトクマルシューゴさんの楽曲は、どんな感じですか?

機械メインの物語なので、テクノっぽいかもしれないです。いわゆるミュージカルの王道の音楽とは全然違うものだけど、突然とても美しいメロディが出て来たり、魅力的な楽曲ですね。『わたしは真悟』の世界にはすごくフィットしてると思うんですが、今までやったことがない感じなので、歌う方は難しいです(笑)。

地元・大阪でインタビューに応じた高畑充希
地元・大阪でインタビューに応じた高畑充希

──10年以上、ミュージカルの舞台に立ち続けている人にそう言わせるとは相当ですね。音楽だけでなく全体的にも、かなり異色な世界が期待できそうです。

そうですね。(悟役の門脇)麦ちゃんとも話してたんですが、あんまり主演っていう感じがしないんです。みんながパズルのピースであり、その重要度は一緒という感じがします。麦ちゃんも私もダンサーさんも、照明も音楽も、みんなそれぞれの比重が一緒。だからミュージカルというよりも「ショー」に近い舞台になるかもしれません。ちょっと感情的な登場人物が出てくるショーのような(笑)。

──先ほど「年に2回ぐらい舞台に立ちたい」と言ってましたけど、舞台に立つことの特別さはどこにありますか?

舞台って、嫌でも自分の弱点に向き合わなきゃいけないような気がします。映像だとつまづいても、撮り終われば気付かないフリが出来るけど、舞台って何公演もぶち当たるので。

──公演のたびに、苦手と向き合うことになると。

はい。それに、新たな発見が毎公演あって。何回やっても楽しくて飽きないし、私にとっては初心に帰れる場所です。でも舞台に立ち始めてもう11年目になるから、そろそろもっとわかってこなきゃダメだなあと思うんですけど(笑)。

──『とと姉ちゃん』きっかけで、今回の舞台に興味を持つ人がきっといると思いますが、そういう人たちに向けて舞台の魅力を伝えるとしたら。

なんだろう・・・たとえば台詞を間違えたら、映像だと撮り直しになるけど、舞台だとそれが笑いに変わったりして、その場でしか味わえないものになることもある。私は舞台を観るのも好きなんですけど、その「その場でしか体感できない」ことを直接肌で感じられるのが舞台の面白さだと思いますし、ぜひ1回体験してもらいたいですね。

──「朝ドラの撮影が終わった後に見える景色はすごく美しい」とおっしゃっていたそうですが、この舞台では、どんな景色が見られそうですか?

えー? もう全然想像できないです。でも舞台を観た人が「なんかよくわかんないけど面白かった」って言ってくれたらいいなって。「分かったけどつまんない」っていうのはすごく辛いけど(笑)、「わかんないけど面白い」ってすごく強い受け止められ方だし、きっとそういう作品になると思います。

高畑充希(たかはた・みつき)

ミュージカル『わたしは真悟』

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