戦後の女性による戦争画展、京都で

2016.12.27 07:00

後藤靖香《暗号模索》2012年

(写真2枚)

戦争の時代を生きた若者を題材にした絵画作品で知られる画家、後藤靖香。その彼女の新作展が「京都精華大学ギャラリーフロール」(京都市左京区)で、12月16日から行われています。

後藤は1982年生まれの広島県出身ですが、幼少時より祖父や大叔父から戦争体験を聞いて育ったことから、戦争に組み込まれていった無名の若者たちをテーマに制作するようになりました。作品の特徴は、劇画調のタッチと極端な構図、そして超大型作品を数多く制作していることです。また、丹念な取材を行うこと、作品を発表する会場の歴史に基づく作品が多いことも特徴と言えるでしょう。

後藤靖香《ドローイング》2016年
後藤靖香《ドローイング》2016年

今回は、昭和19年(1944)に西陣織統制組合が第一次陸軍偕行社軍需部より、金属勲章の代わりに西陣織の徽章約305万個の発注を受けたエピソードをテーマにした、全幅約10メートルの新作を発表。「暗号模索」「机上の空砲」といった過去の代表作も見られます。会場は、28日から休館、新年1月5日から再開予定。年初一発目の展覧会におすすめです。期間は2017年1月21日まで、無料。

文/小吹隆文(美術ライター)

『後藤靖香展 必死のパッチ』

期間:2016年12月16日(金)〜2017年1月21日(土)・10:00〜18:00 ※日曜休・12/28〜1/4・1/9休
会場:京都精華大学ギャラリーフロール(京都市左京区岩倉木野町137)
料金:無料
電話:075-702-5263
※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて

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