キュウソネコカミ、映画主題歌を書きおろし「救われた」

2017.1.4 17:07

大阪市内で取材に応じたキュウソネコカミのヨコタシンノスケ(左)とヤマサキセイヤ

(写真5枚)

──作品ではエロのほかにも、ずっと家でウジウジしている父親みたいにかっこ悪い大人になりたくないと思いながらモヤモヤしたり、隣に住む幼なじみで巨乳のメグミが気になるけど見ているだけだったり、ヤンキーに絡まれて反撃したいけどできなかったり・・・何か変わりたいけどどうしたら良いかわからなくて悶々とする主人公に親近感が湧きますよね。

セイヤ「ほんまにそう。そういう中学の頃の経験とか、なんかやりきれんかった思いが主人公のタカシと重なって、歌詞が一気に書けたんです。僕らのファンって女の子めっちゃ多いんですよ。けど、結構自分の経験とか男の子目線で書いたから、ウケなかったらどうしようとか思って悩んだんですけど、でもそうやって媚び売ったらこの曲はあかんなと思って。そしたら、うれしいことにライブで披露すると、男の子がすっごい良い顔をして聴いてくれるんですよ。泣いてる子もいたりして。今まで男の子のファンがグッと増えなかったんですけど、反応が明らかに違いましたね。今までほんまノリと勢いみたいな、踊れておもしろいのがキュウソみたいな感じやったんですけど、今回は『どうしたキュウソ、めっちゃ良い曲やん! なんか泣かされたわ!』って言ってくれる(笑)。僕が青春時代、銀杏BOYZの曲にめちゃくちゃ支えられたみたいに、この曲もそうなれば良いなぁ」

──今までのベクトルとは違う『わかってんだよ』という曲ができて、バンド的にも雰囲気とか曲の作り方の意識がこれまでと変わったりしたんですか?

ヨコタ「結構変わりましたね。今まで曲は捻ってなんぼみたいなとこがあって。こねくりまわさないといけない症候群やったもんな(笑)。なんか物足りないっていうので転換も多いし、いろいろ曲調が変わったりっていうのが多かったんですけど、でもそういうのなくてもいいなっていうのがわかったというか。今回ストレートに歌詞とメロディーで表現できたんで、逆にいうとめちゃくちゃ遊ぶのもこれからできるし、ストレートに表現する曲もできるようになったのが大きいよね」

ヤマサキ「ほかにもこの曲のおかげで気づけたことがあって。カップリングの『こみゅ力』が、分解したらたぶん4曲くらいになるんですよね。それってめっちゃ無駄やんって。お客さんも付いてこられへんし、自分勝手なバンドやんっていう。予習してきてる人は楽しめるんですけど、ステージが大きくなればなるほど、冷める人間が増えていく。1曲のなかに別の曲のエッセンスが多すぎると、大きいステージで戦えない曲になってしまうっていうのに気づいて。ストレートな『わかってんだよ』が大きい舞台でお客さんに伝わったって実感できたので。

──『わかってんだよ』が自分たちのスタンスやバンドの方向性を考える良い機会になったんですね。

ヤマサキ「自分にとってもバンドにとってもターニングポイントになる曲だったので、ほんとうにやれて良かったです。この曲に救われた。脚本を読んでないとできてない曲なので、映画、絶対観て欲しいですね。中高生だった人はもちろん、現役の中高生、男の子も女の子も、「エモい」気持ちになれると思います!」

映画『14の夜』

2016年12月31日(土)公開
脚本・監督:足立紳
出演:犬飼直紀、濱田マリ、門脇麦、和田正人、浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)、光石研、ほか
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
シネ・リーブル梅田、ほかで上映
114分
(C)2016「14の夜」製作委員会

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本