京都でデュシャンをめぐる現代美術展

2017.1.5 07:00

瀧口修造《ロトデッサン cercle vicieux》13.5×13.5cm 1971年 鉛筆、黒紙、赤紙 ©Shuzo Takiguchi(1月7日〜、ozasakyoto)

(写真2枚)

既成の男性用小便器にサインをしただけで作品としたオブジェ「噴水(泉)」や、8年にわたって制作された非常に複雑なオブジェである「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」(通称「大ガラス」)などの作品で知られるマルセル・デュシャン(1887〜1968)。現代美術の元祖というべき彼の生誕130年を記念して、デュシャンと縁の深い瀧口修造と岡崎和郎の2人展が、京都の「ozasakyoto」(京都市上京区)で、1月7日から行われます。

瀧口(1903〜79)はデュシャンとの間に濃密な交流があり、1968年にはデュシャンのメモや言葉の遊びを自ら編集・翻訳した『マルセル・デュシャン語録』を刊行、1977年には「大ガラス」の一部を立体化したデュシャンへのオマージュ作品「検眼圖」を制作しています。

岡崎和郎《Shuzo Takiguchi–Arrow Finger》7.5×2.9×2.2cm 1968年〜1998年 ブロンズ、焼付け塗装 ©Kazuo Okazaki / Courtesy of Shigeru Yokota Gallery(1月7日〜、ozasakyoto)
岡崎和郎《Shuzo Takiguchi–Arrow Finger》7.5×2.9×2.2cm 1968年〜1998年 ブロンズ、焼付け塗装 ©Kazuo Okazaki / Courtesy of Shigeru Yokota Gallery(1月7日〜、ozasakyoto)

一方、岡崎(1930〜)もデュシャンに触発された作家で、一貫してオブジェに取り組んできました。前述の『マルセル・デュシャン語録』と「検眼圖」の制作に協力するほか、デュシャンと瀧口に関連する作品も制作しています。本展では土渕信彦コレクションによる2人の作品約40点が展示されます。現代美術ファン要注目の渋い企画展です。

文/小吹隆文(美術ライター)

『マルセル・デュシャン生誕130年記念 「瀧口修造・岡崎和郎二人展」』

期間:2017年1月7日(土)〜2月12日(日)・12:00〜19:00 月・火曜休 ※1/9(月・祝)は開廊
会場:ozasakyoto(京都市上京区堀川今出川南 西陣織会館 西館 207(西陣産業会館))
料金:無料
電話:075-417-4041

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