深津絵里「演技とは何か考えさせられた」
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「矢口監督の真髄に触れた気がする」(深津絵里)
──先ほど矢口監督はすごく高度なことを目指していたとおっしゃってましたが、深津さんにとって今回の映画はどういったものになりましたか?
演技というものがいったい何なのかをすごく考えさせられた作品になりました。豚を追いかけるシーンもそうなんですけど、豚を追いかけ回す演技って、何なんでしょうね?っていう(笑)。結局、演じることって、そこにあることに集中して、ホントにぶつからないとできないことなんだなと改めて感じたし、それを教えてくれる作品だったと思います。
──深津さんが2016年に出演された『永い言い訳』で、西川美和監督にお話をうかがう機会があったんですが、難しい役どころにもかかわらず、スッとそこにいる、役のまま自然にそこにいてくれるから何も言うことがなかった、というようなこととおっしゃっていたんですね。
いえいえ、どうなんでしょう?
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──それは、作品によって撮影への入り方が違うのか、それとも、周りにはそういう風に見えるかもしれないけど、深津さんのなかでは全然違う心境で撮影に挑んでいるのか。そのどちらなんだろうと思いまして。
私はすごく不器用なので、(演技という)嘘なことをやってるんですけど(笑)、嘘が苦手というか。だから今回、オールロケというのはすごくありがたくって。なるべく、そこの空気をしっかり感じて演じることが、結果としてスクリーンににじみ出ると思うんですよね。全然お腹が空いてない状態で、すっごくお腹が空いたお芝居ができる人はいいんですけど、私はそれができないから、なるべくその状況に近づくしかないなと。
──今回、撮影に関係ないのにキャットフードを食べたとか。
それは私のただの好奇心です(笑)。全然食べる必要もなかったんですけど、息子役の泉澤祐希くんが本物のキャットフードを食べるシーンがあって、「私もちょっと食べたいな」と(笑)。ただ、この作品でなければそんな気にもならなかっただろうし。記念に食べてみました。
──今回は、自転車で高速道路を走ったり、雑草を食べたり、川で洗濯したりと、非日常的なシーンの連続でしたが、リアルに身を置くことでしか吸収できないもの、感じられないものが演技として出てくる、と。
絶対そうだと私は思ってるんですけどね。
──だからこそ演技となって出てきた表現とかも。
たぶん、どんどん弱っていく感じとか、実際にはメイクとかで汚したりしてますけど、ホントにみんなぐったりしていたし(笑)。あざとか切り傷とか毎日のようにできていたから、本物の傷も生かせたし。待ち時間も最初は用意してくださったイスにみんなで座っていたんですけど、しまいには、地面に座って待ってた(笑)。(クランク)インする前には想像していなかったことがいっぱいありましたね。

──そんな矢口監督の現場でしたが、またもう一度やりたいという思いは強まりましたか?
何十年越しの願いが叶ったばかりなので、すぐに次の作品というのは贅沢ですよね。監督が次にどんな世界を撮ろうとしているのか分からないですけど、私である意味があれば、ぜひご一緒したいです。でも、監督はすごくおだやかな顔をして、とってもユーモアのある作品を作っているんですけど、裏側の顔は死ぬほど怖いんです(笑)。
──あの、すごく柔らかい笑顔でかなり手厳しいと(笑)。
はい。でも、すごく楽しそうなんですよね。そういえば、河原のシーンの撮影で、待ち時間が結構長かったんですよね。私、ヒマだったので河原で面白い形の石を探していたんです。そしたら監督が来て、「深津さん、深津さん。梅干しあげます」って言うから、なんだろうって思ったら、色も形も梅干しにそっくりな石を監督がくださって(笑)。そのユーモア! 矢口監督の真髄にすごく触れた気がして。今回、監督との記憶のなかで、とても印象に残っています。
──いい話ですね(笑)。
いい話、ですかね(笑)。なんか、この石を持って帰らなければいけない、と思って。そのあとの撮影で、川に入るシーンがあったので、これをむげに川原に置いて帰ったら、良くない気がすると。ちゃんとおうちに持って帰りました。
──では、次にご一緒する機会が巡ってきたときに。
そうですね。再会できたときにお返しします(笑)。
映画『サバイバルファミリー』
2017年2月11日(土)公開
監督:矢口史靖
出演:小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな、ほか
配給:東宝
© 2017フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャーズ
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