ストライプの巨匠画家、京都で回顧展

2017.2.26 08:00

《Work F.116》1992年 油彩・キャンバス

(写真3枚)

ストライプの絵画作品で知られる巨匠・山田正亮(1929〜2010)。彼の画業を展観する初の回顧展『endless 山田正亮の絵画』が、3月1日より「京都国立近代美術館」(京都市左京区)でおこなわれます。

世俗や流行に背を向け、誰にもおもねず、東京の郊外のアトリエで一人黙々と制作を続けた山田正亮。彼の画業は、1948〜55年の「Still Life」、1956〜95年の「Work s」、1997年以降の「Color」の3つに大別できます。 はじめは具象の静物画だったものが徐々に抽象化し、色彩のストライプ、クロス(十字形)、グリッドと、豊かな筆触、絵具の積層からなる独自の世界に到達。晩年は画面全体がほぼ単色で周縁部に下層の色彩がかすかに覗く作品に至ります。

《Work C.92》1961-62年 油彩・キャンバス 横浜美術館蔵
《Work C.92》1961-62年 油彩・キャンバス 横浜美術館蔵

それらはいずれも強固なコンセプトに貫かれており、まるで彼の人生そのものが一つの作品であるかのようです。 本展では、生涯に約5000点の作品を残した山田のキャリアを、約200点の油彩画と約30点の紙作品で展示。また、50冊以上もある制作ノートや最新の研究成果も披露され、その複雑で魅惑的な芸術世界を体感でき、絵画ファン必見の機会です。

文/小吹隆文(美術ライター)

『endless 山田正亮の絵画』

期間:2017年3月1日(水)〜4月9日(日)
時間:9:30〜17:00 ※入館は16:30まで 月曜休 ※3/20開館、3/21休館
会場:京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町)
料金:一般1000円 大学生500円
電話:075-761-4111(代表)075-761-9900(テレホンサービス)

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