北翔海莉、退団後初舞台は不器用な女役

2017.3.15 09:00

『タイタニック』『グランドホテル』の日本版を演出したトムは、イギリスでも数々の演劇賞を受賞。「北翔さんの才能をもって新しいベイブを作る」と意気込む

(写真4枚)

昨年11月に宝塚歌劇団を退団した元星組トップスターの北翔海莉。長年男役だった彼女が、10月に上演されるミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』で女優として歩み始める。演出はロンドン演劇界の俊英トム・サザーランド。先日、2人揃っての取材会が大阪で行われた。

本作は1955年にトニー賞最優秀作品賞などを受賞しその後映画化、度々再演されるブロードウェイの名作。パジャマ工場で賃上げのストライキを率先して計画する苦情処理係のベイブ(北翔)が、対立する工場主任のシド(新納慎也)と惹かれ合う物語だ。北翔は「ベイブは男勝りで正義感溢れる、母のような温かさのある女性。21年間男役をやってきた私が男から女へと変わるギクシャク感が、彼女の恋愛の不器用なところにうまく乗っかっていくのでは(笑)」と分析する。

またサザーランドは「北翔さんのパフォーマンスは素晴らしく、才能を全て詰め込んだ女性! (映画で)ドリス・デイが演じたベイブはフェミニンな感じで常々違うと思っていた。ベイブは男性と対等に戦う役。世界中で北翔さんほどぴったりな方はいない」と絶賛。北翔は「自分の女優デビューというより、トムさんの演出というすごいタッグに参加できる喜びやワクワク感の方が大きい」と喜んだ。

「稽古場に笑いが溢れるような明るい役者さんたちが揃っています」と楽しみな様子の北翔と演出家のトム・サザーランド
「稽古場に笑いが溢れるような明るい役者さんたちが揃っています」と楽しみな様子の北翔と演出家のトム・サザーランド

本作は天才振付家ボブ・フォッシーのデビュー作ということもあり、「映画でも衝撃を受けるようなダンスシーンがあり、ステージに立つ役者が出たいと思う作品」とダンスが得意な北翔も憧れを告白。有名なナンバーが多いが、サザーランドはオリジナルとは違った形でベイブの見せ場を用意することも明かし、「この作品が登場した時どれだけ革新的だったか。当時と同じぐらいみなさんを驚かせることを約束します」と語った。「毎回進化できるよう精進したい」という北翔は有言実行で期待に応えるだろう。

公演は10月19日〜29日に「梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ」(大阪市北区)で。チケットは11500円、各プレイガイドで5月27日から発売される。

取材・文・写真/小野寺亜紀

ミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』

演出:トム・サザーランド
振付:ニック・ウィンストン
出演:北翔海莉、新納慎也、大塚千弘、上口耕平、広瀬友祐、阿知波悟美、佐山陽規、栗原英雄、ほか

日程:2017年10月19日(木)~29日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪市北区)
料金:11500円(指定)※未就学児入場不可
電話:06-6377-3888(梅田芸術劇場)
チケットは2017年5月27日(土)より発売

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