プリンス井上芳雄がギャツビーに挑む

2017.3.15 07:00

井上芳雄は小池修一郎の『モーツァルト!』などに主演しているが、翻訳ミュージカル以外の新作で組むのは初めて

(写真2枚)

ミュージカル界屈指の人気を誇る俳優・井上芳雄が、日本を代表する演出家のひとりで井上の育ての親とも言える小池修一郎のミュージカル『グレート・ギャツビー』に出演。5月から東京・大阪・愛知・福岡の4都市で上演する。

原作は、ロバート・レッドフォードやレオナルド・ディカプリオ主演で映画化もされたF・スコット・フィッツジェラルドの傑作小説。狂乱の1920年代アメリカを舞台に、謎の大富豪ジェイ・ギャツビーが、一人の女性を愛し抜いた末に迎える結末は哀しくも男のロマンに満ち、翻訳本を発表し同作を敬愛する村上春樹をはじめ、男性の心も離さない。

1991年に宝塚歌劇団で初ミュージカル化した小池が、新たな演出で上演する本作。小池はこれまで『エリザベート』など宝塚で手掛けたヒット作を、外部公演でも新たな演出で構築し成功を収めてきた。演出家デビュー5年目に『華麗なるギャツビー』として発表した雪組公演は、巧みな劇構造が光り、自身初の菊田一夫演劇賞を受賞。その記念碑的作品が海外スタッフとのタッグで生まれ変わる。

ブロードウェイで活躍のリチャード・オベラッカーによる、全曲書き下ろしも注目の話題作
ブロードウェイで活躍のリチャード・オベラッカーによる、全曲書き下ろしも注目の話題作

主人公・ギャツビーを演じる井上は、小池に見出されミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。当時大学在学中での大抜擢に応え注目を集めた。「ミュージカル界のプリンス」と呼ばれるまでに成長した彼が、恩師・小池との久々の新作で、ギャツビーの内なる情熱をどのように浮かび上がらせるのか。近年ストレートプレイにも次々と挑戦し演技の幅を広げてきただけに期待が高まる。

今年はNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』にも出演し、まさに飛躍の年となる井上。これまでの豊富なキャリアが大人の男・ギャツビーの生き様に反映され、新たな代表作となりそうだ。大阪公演は7月4日から16日まで、「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)にて。チケットはS席13000円ほか、各プレイガイドで発売中。

文/小野寺亜紀

ミュージカル『グレート・ギャツビー』

原作:F・スコット・フィッツジェラルド
音楽:リチャード・オベラッカー
脚本・演出:小池修一郎
出演:井上芳雄、夢咲ねね、広瀬友祐、畠中洋、蒼乃夕妃、AKANE LIV、田代万里生、ほか

日程:2017年7月4日(火)~16日(日)
会場:梅田芸術劇場メインホール(大阪市北区茶屋町19−1)
料金:S席13000円、A席9000円、B席5000円
電話:06-6377-3800(梅田芸術劇場)

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