迫力のダシで魅了、滋賀で左義長まつり

2017.3.14 14:00

『左義長まつり』で毎年手作りされるダシ(神輿)。干支の作り物は穀物や海産物で作られており、それぞれ個性的

(写真3枚)

干支をモチーフにした大きな手作り神輿「ダシ」で有名な『左義長まつり』が3月11日から2日間、「日牟禮(ひむれ)八幡宮」(滋賀・近江八幡市)とその周辺で開催され、色とりどりの豪華絢爛なダシが訪れた多くの人々を魅了した。

『左義長まつり』はもともと、織田信長を城主とした安土城下でおこなわれ、国選択無形民俗文化財。今回は13カ所の奉納町が製作した、個性豊かなダシがお披露目される日でもある。祭りの2日間、近江八幡周辺ではダシが練り歩き、左義長ダシコンクールなどいろいろな催しが行われる。なかでも、八幡宮内の馬場で行われる組み合いはダシ同士がぶつかり合いケンカのような状態になる。

たくさんの観客で埋め尽くされた『左義長まつり』(2017年の様子)
たくさんの観客で埋め尽くされた『左義長まつり』(2017年の様子)

「せーのっせ! せーのっせ!」と大きな掛け声に合わせてダシ同士がぶつかると、ぎしぎしと音を立てて壊れたり、一気に倒れたりするシーンは迫力満点。この日、担ぎ手として参加した八田真輝(23)さんは「物心ついたときから父親とまつりに参加していた。まつりを通して地域と交流し、社会勉強もでき、自分自身も成長する。左義長祭りは人生そのもの。来年も全く違うダシを作って祭りを盛り上げたい」と力強く語った。

幼少期から『左義長まつり』に参加する八田真輝さん。手に持つ鶏は鶏冠が梅干し、羽根は干ぴょうと昆布で作られている
幼少期から『左義長まつり』に参加する八田真輝さん。手に持つ鶏は鶏冠が梅干し、羽根は干ぴょうと昆布で作られている

ケンカが終了した後、丹精込めて作られたダシたちは潔くすべて奉火によって焼き尽くされた。来年の戌年も3月14日・15日に近い土日に開催、各町区が作り上げるダシが全く違う姿を見せてくれるだろう。

取材・文・写真/岡田由佳子

『左義長まつり』

日時:2017年3月11日(土)・12日(日)
会場:滋賀県近江八幡市宮内町257(日牟禮八幡宮および、その周辺)
電話:0748-33-6061(近江八幡駅北口観光案内所)

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